考 察図 4 アナモレリンの成長ホルモン、IGF-1、握力および消化器症状に対する効果アナモレリン内服開始前と 8 週後における(A)成長ホルモン、(B)IGF-1、(C)左右の平均握力、(D)FSSG スコアの変化を示す。統計解析には Wilcoxon signed-rank test を用いた。*p < 0.05、**p < 0.01、***p < 0.001IGF-1:insulin-like growth factor-1、FSSG:Frequency Scale for the Symptoms of GERD48で改善した。消化器症状 1 例(5.6%)は、Grade 2で投与継続可能であった。いずれも報告されているものであり、入院、障害、または死亡につながる重篤な有害反応はなかった。また、添付文書に記載のない新たな有害反応は確認されなかった。 本研究は、予後不良で標準治療が確立していない希少疾患である iPPFE に対し、グレリン受容体アゴニストであるアナモレリンの有効性および安全性を初めて前向きに検討した臨床試験である。アナモレリンの 8 週間の経口投与により、食欲および悪液質、体重、除脂肪体重の増加に加え、プレアルブミンおよびトランスフェリンといった栄養指標の改善、呼吸困難および K-BILD を用いた呼吸器関連 QOL の有意な改善が認められた。また、血中 GH および IGF-1 の上昇と握力の増加が確認され、アナモレリンがグレリン経路を介して食欲および筋力増加に寄与し、iPPFE 患者における悪液質の改善に有効であることが示された。 iPPFE では、病態進行とともに著明な体重減少(kg)40302010アナモレリン アナモレリンアナモレリンアナモレリン内服8週後内服前(ng/mL)300200100アナモレリン内服前アナモレリン内服8週後(ng/mL)40302010アナモレリン内服前アナモレリン内服8週後AB00C**0302010アナモレリン内服前アナモレリン内服8週後図4IGF-1成長ホルモン握力および筋肉量の低下を呈し、これらが独立した予後不良因子であることが知られている 7,11)。これらの変化は、骨格筋や呼吸筋の萎縮によって換気効率を低下させ、呼吸不全を進行させることで生命予後および QOL を著しく損なう。本研究で観察された体重増加は単なる体液貯留によるものではなく、除脂肪体重の有意な増加を伴っており、GH/IGF-1 軸の活性化を介した筋蛋白合成促進によるものと考えられる。アナモレリンは、視床下部の GHS-R1a 受容体を介して食欲を亢進させるとともに、下垂体からの GH 分泌を促進し、肝臓での IGF-1 産生を誘導する。GH は骨格筋でのアミノ酸取り込みと蛋白合成を促進し、IGF-1 は筋芽細胞の増殖および分化を誘導して筋萎縮を抑制することが知られている。これらの一連の変化は、呼吸筋の機能維持および全身筋力の増強を介して、呼吸困難および QOL の改善に寄与した可能性がある。実際、握力の有意な改善は、筋量増加が機能的改善へ反映されたことを支持する。 アナモレリン投与後の血中 GH および IGF-1 の上昇は、本薬剤の薬理作用が確実に発現していることを裏づける結果である。さらに、プレアルブD FSSGスコア*****
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