臨床薬理の進歩 No.47
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500 μm方  法図 1 上葉優位型肺線維症(iPPFE)患者の胸部 X 線写真、胸部 CT 画像、肺組織像(A)上肺野を主体とする線維化病変および胸膜肥厚、上葉の容積減少が確認される。(B)上葉、(C)下葉 両側上葉を主体として胸膜直下に有意なコンソリデーションを認める。(D)肺組織の Elastica van Gieson 染色では、胸膜直下の肺組織に弾性線維の増生が観察される(矢印)、スケールバー:500 µm。44および筋肉量の減少、胸郭の扁平化が生じ、疾患進行に伴って食思不振、倦怠感、体重減少などを伴う悪液質が出現することが特徴的である 5)。特に、体重減少は独立した予後不良因子であることが報告されている 7)。詳細な機序は明らかでないが、iPPFE 患者では骨格筋量の減少を介して悪液質が進行する。悪液質は呼吸筋を含む骨格筋の萎縮を招き、呼吸筋力や身体活動量を低下させ、呼吸不全の進展を加速させるとともに、QOL および生命予後をさらに悪化させる。呼吸器疾患に伴う悪液質に対しては、現状では主治医や施設独自に栄養補助食品の利用や運動療法などの支持療法が行われているのみで、エビデンスに基づいた薬物治療は確立されていない。iPPFE に伴う悪液質に対する有効な薬物療法の開発は、iPPFE 自体に有効な治療薬がない現状を鑑みると、喫緊の課題である。 アナモレリン塩酸塩(Anamorelin hydrochloride)は、グレリン受容体(growth hormone secretagogue receptor 1a:GHS-R1a)の選択的アゴニストであり、視床下部に作用して食欲を亢進させるとともに、下垂体からの成長ホルモン(growth hormone:GH)分泌を促進する。GH は肝臓におけるインスリン様成長因子 1(insulin-like growth factor-1:IGF-1)のADBC産生を誘導し、骨格筋の蛋白合成を促進して体重および筋肉量を増加させる 8)。アナモレリンは、がん悪液質を対象とした複数の臨床試験で有効性が示され 9,10)、国内では「悪性腫瘍におけるがん悪液質」を効能・効果として承認されている。既存薬の新しい効能を発見し有効利用するドラッグリポジショニングは、新しい創薬アプローチとして注目されている。今回、iPPFE に伴う悪液質の治療としてアナモレリンを用いることで、体重増加を介して QOL の改善にも寄与し得るのではないかと考え、本研究を行った。法令等の遵守 本研究は、適応外医薬品の有効性および安全性を評価する臨床試験であり、臨床研究法下の特定臨床研究として、国立大学法人浜松医科大学臨床研究審査委員会の承認および実施許可を得て実施した(jRCTs041220165)。試験デザインは単群・非盲検・非対照のパイロット試験とし、すべての参加者に同意説明文書を用いて研究内容を説明し、本人から文書によるインフォームド・コンセント図1

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