追 記謝 辞利益相反HAMにおけるクロマチン構造異常を介した炎症促進機序の解明と新規治療法の開発を Th1 様細胞へと分化・増殖させることに寄与し、た、HAM 特異的なクロマチンリモデリング異常がMAP3K8 遺伝子座のエンハンサー領域に生じ、この部位に Fosl2、c-Jun、そして HTLV-1 Tax が結合して MAP3K8 発現を著しく上昇させることを明らかにした。さらに、HTLV-1 Tax がこの領域でクロマチンリモデリングを誘導することを実証した。加えて、MAP3K8 の発現は MEK-ERK 経路の恒常的な活性化を介して、HTLV-1 感染細胞HAM 患者の疾患活動性と密接に関連していることを示した。 HAM 患者由来 PBMC を用いた in vitro 炎症応答モデルにおいて、MEK 阻害剤、特に Trametinibは、HTLV-1 感染細胞や Tax 特異的 CTL を含むCD8+T 細胞の増殖を抑制した。TCR 刺激によるCD8+T 細胞の増殖には MEK-ERK 経路の活性化が必須であることから、MEK 阻害剤はウイルス抗原によって過剰に活性化された CD8+T 細胞に対して有効である可能性が示唆される。さらに、MEK 阻害剤は、HAM 患者の HTLV-1 感染細胞や炎症細胞から産生される IFN-γの量を有意に抑制した。これらの結果から、MEK 阻害剤は HAM における炎症病態の制御に有望な治療薬となり得ることが示唆された。HAM のような希少疾患において、新規治療薬剤を開発することは困難であることを踏まえると、MEK 阻害剤のような既存薬をリポジショニングすることは、実用的かつ有望な治療戦略である。 本研究により、ウイルス因子と宿主因子の協調作用によって異常なクロマチンリモデリングを誘導する新規機序を発見した。これらの分子基盤に基づいた治療法の開発は、HAM における有望な治療薬開発に資するものと期待される。 本研究は Nature Communications 誌に発表した 10)。 本研究を遂行するにあたり、研究助成を賜りました公益財団法人臨床薬理研究振興財団に心より深謝申し上げます。また、本研究にご協力頂きました患者様に御礼申し上げます。 本研究に関して、開示すべき利益相反はありません。41
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