*1 Togashi Yosuke はじめに要 旨目的 免疫チェックポイント阻害薬(ICI)の奏効に関わる腫瘍内免疫応答の新たな要素として、濾胞性ヘルパー様CD4 陽性 T 細胞(TFH)の本態と機能的多様性を解明することを目的とした。方法 患者腫瘍検体のシングルセル RNA/TCR シークエンスおよび空間解析、マウス腫瘍モデル、機能的アッセイを組み合わせ、TFH の分化動態と抗腫瘍機能を解析した。結果 CD8 陽性 T 細胞(特に疲弊 T 細胞)が分泌する CXCL13 が TFH および B 細胞の腫瘍内浸潤と 3 次リンパ様構造(TLS)形成を誘導し、CD8 陽性 T 細胞のメモリー様分化と ICI の持続効果に寄与した。脳転移では骨髄系細胞由来 BAFF/APRIL が同経路を活性化し、抗 CTLA-4 抗体併用効果を増強した。さらに、TFH には自己再生能をもつ Progenitor 型と細胞傷害性を示す Terminal 型の二層が存在し、後者は LAG-3 を高発現して PD-1/LAG-3 二重阻害に反応した。結論 TFH-B 細胞 - 疲弊 T 細胞ネットワークおよび TLS 形成が ICI の長期奏効に寄与し、TFH の二層構造は新たな治療標的となる可能性を示した。傷害性 CD4 陽性 T 細胞)、抗腫瘍免疫応答において重要な役割を果たすことを報告してきた 5)(図 1A)。しかし、その分化機構や機能的多様性については依然として不明な点が多い。 我々はこれまでに、患者由来腫瘍浸潤リンパ球(tumor-infiltrating lymphocytes:TIL)およびがん細胞を生きた状態で単離し、シングルセル RNAシークエンス(scRNA-seq)および TCR シークエンス(scTCR-seq)を実施した。その解析により、腫瘍を直接攻撃する CD8 陽性 T 細胞を同定し、これらが PD-1 高発現を特徴とする「疲弊(exhaustion)」表現型を示すことを明らかにした 2,6,7)(図 1B)。さらに、疲弊 CD8 陽性 T 細胞(Tex)は CXCL13 を高発現し、その受容体 CXCR5 を発現する濾胞性Key words:腫瘍免疫、PD-1、濾胞性ヘルパー様 CD4 陽性 T 細胞、疲弊 T 細胞、3 次リンパ様構造岡山大学学術研究院医歯薬学域 腫瘍微小環境学分野腫瘍微小環境における濾胞性ヘルパー様 CD4 陽性 T 細胞の本態解明Elucidation of follicular helper–like CD4+ T cells in the tumor microenvironment22 抗 PD-1 抗体や抗 CTLA-4 抗体に代表されるがん免疫療法、すなわち免疫チェックポイント阻害薬(immune checkpoint inhibitors:ICI)は、その有効性が証明され、さまざまながん種で臨床応用が進んでいる。しかし、奏効率はいまだ十分とはいえず、抗腫瘍免疫応答の本態解明が求められている 1)。抗腫瘍免疫応答の主役は CD8 陽性 T 細胞とされてきた一方で、CD4 陽性 T 細胞の役割は十分に理解されていない。我々はこれまでに、CD4 陽性制御性 T 細胞が ICI 耐性や急激な病勢増悪に関与すること 2〜4)、また MHC クラスⅡ(MHC-Ⅱ)発現腫瘍では CD4 陽性 T 細胞が細胞傷害性を発揮し(細胞冨樫 庸介*1
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