臨床薬理の進歩 No.47
33/342

RBPJ □ 2例から検出された自己抗体A2ML1 ANKRD45BCCIP CREB3L1EEF2KEGFRERMNEMCNFAM84A GLOD4 HRASIL1AIFNA1LIMCH1 LIMS1LILRB2OFD1_fragNINJ1PLEKHA8PRCCRAP1GDS1STAMRBPJ □ 2例から検出された自己抗体A2ML1 ANKRD45CREB3L1ECE1BCCIPERMNEGFREMCNIFNA1FAM84A HRASLILRB2KCNAB2 LATNINJ1LIMCH1 LIMS1PMEPA1 PPM1GPLEKHA8PRCCRAP1GDS1STAMPRDX3 PRRT2RND2STIP1ASNA1SGIP1ASNA1LATPALM2PMEPA1 PPM1GPRDX3 PRRT2RGS5SGIP1STIP1280症例2症例110512134症例3ベースライン□ 3例から検出された自己抗体9915226127症例2心筋炎発症時□ 3例から検出された自己抗体症例1症例3図 5 プロテオームマイクロアレイによって同定された心筋炎患者の自己抗体のベン図A ICI 治療前、B ICI 心筋炎発症時。文献 16)より引用、改変。AB137187免疫チェックポイント阻害薬関連心筋炎のサイトカイン・自己抗体プロファイリング心筋炎患者では、心筋には CXCL9 / CXCL10 の受容体である CXCR3 を発現する T 細胞の浸潤が増加しており 12,13)、この T 細胞が産生する IFN-γ と、CXCL9 / CXCL10 産生マクロファージとが 相互に作用して正のフィードバックループを形成し、心筋炎を悪化させると推定されている 11)。また本研究では、抗炎症性サイトカインである IL-10が心筋炎発症時に顕著に減少しており、心筋炎の増悪に寄与していることが示唆された。 ICI 心筋炎と対照群のベースラインのサイトカイン値の比較では、心筋炎群で G-CSF、IL-6、CXCL13、GM-CSF が 有 意 に 高 く、 抗 炎 症 性サイトカインである IL-10 が低値であった。ICI開始後のサイトカインの比較では、心筋炎患者でCXCL13、IL-6、レプチンなどの炎症性サイト カインが対照群に比べて有意に上昇していた。両群の患者背景が異なり、サンプル数も少ないという研究の限界はあるが、本知見は ICI 開始前からの免疫異常や ICI に対する過剰反応が心筋炎の発症に関連している可能性を示唆している。さらに、特定のサイトカインが ICI 心筋炎の発症予測バイオマーカーとなり得ることが示唆された。 3 例の ICI 心筋炎患者血清から RBPJ に対する自己抗体が検出された。RBPJ は Notch シグナル伝達経路で重要な役割を果たす転写因子である。RBPJ を介する Notch 経路は、細胞運命決定、分化、増殖、アポトーシスなどの様々な細胞プロセスに関与しており、胚発生、組織恒常性、がんや心疾患などの病態において重要な役割を担っている 14)。抗 RBPJ 抗体に関する報告は少なく、その臨床的意義はほとんど明らかになっていない。Nickenigらは、健康者の 31% および拡張型心筋症患者の70.6% に抗 RBPJ 抗体が存在したという興味深い知見を報告しているが 15)、ICI 心筋炎において、抗 RBPJ 抗体の発症バイオマーカーとしての可能性や、病態への関与の有無を明らかにするためにはさらなる研究が必要である。 本研究の限界を以下に示す。第一に、本研究は19

元のページ  ../index.html#33

このブックを見る