臨床薬理の進歩 No.47
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286乾 直輝 「臨床薬理の進歩」の編集を担当することになり、今回で 3 回目を迎えました。本書では、3名の編集委員が持ち回りでまえがきとあとがきを執筆する慣例となっており、今回は私があとがきを担当させていただきました。 本年度は、2023 年度研究奨励金交付者 20 名に加え、2022 年度交付者 8 名からの報告を含め、計 28編の論文が寄せられました。いずれも臨床薬理研究の発展に資する優れた研究であり、基礎および臨床分野にわたり、新薬開発に結びつくものや、治療の最適化を志向したものなど、質の高い内容が揃っております。その中から第 19 回臨床薬理研究振興財団研究大賞候補の 5 名を選出することは困難な作業でした。候補者の選考にあたっては、研究内容の卓越性に加え、本奨励金の趣旨に則り、「ヒトを対象とした研究」を重視する観点から慎重に検討いたしました。 本書は長年冊子体として刊行されてきましたが、今回よりデジタルブックとして新たに編まれることとなりました。研究成果を手に取る形で味わう機会は減少する一方で、デジタル化により、より多くの研究者、そして研究を志す読者へと広く届けられることが期待されます。本書が今後も臨床薬理学の発展に寄与し、新たな研究のきっかけとなることを願ってやみません。 本稿は、2026 年 3 月 28 日に東京で開催された編集会議の帰途に執筆しておりますが、現在の社会情勢は、医学研究にも少なからぬ影響を及ぼし得る複雑な様相を呈しています。米国・イスラエルとイランの緊張関係に端を発するエネルギー問題、大学病院を取り巻く経営環境、医療分野に限らない深刻な人材不足といった課題に加え、AI 技術の急速な進展は研究の在り方そのものに変化をもたらしつつあります。数年前には予想し得なかった状況に直面する日々です。そのような影響か、一部には当初の想定通りの成果が得られなかった研究も見受けられました。このような時代において、研究の本質を見極める力、すなわち「目利き」の重要性が一層高まっていることを痛感しております。本書がこのような時代においても、臨床薬理学の確かな歩みを示す記録となることを願います。2026 年 3 月あ と が き

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