臨床薬理の進歩 No.47
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対象と方法倫  理図 1 ALL 細胞株バンクにおける主要な遺伝子転座の割合急性リンパ性白血病細胞株バンクの薬剤耐性の機序解明とその克服を目指した研究 の 2 倍を超える 120 株余り(本稿執筆時点)から(RNA sequencing:RNA-seq)のデータの融合を既存の化学療法剤に対する感受性と関連するゲノム情報を明らかにすることができれば、症例ごとのゲノム情報に基づいた化学療法の個別化の実現が期待される。著者が所属した山梨大学医学部小児科学講座では、国内の年間の再発難治 ALL 症例数なる世界最大の規模の ALL 細胞株バンク(Global Leukemia Cell line Network:GLEAN)を立ち上げて、薬剤感受性とゲノム情報のデータベース化を進めている(図 1)。これまでの研究で、臨床検体の解析から ALL の再発および難治性との関連性が報告された遺伝子多型・遺伝子転座・遺伝子変異について、ALL 細胞株バンクにおいて薬剤感受性との関連性の検証を進め、ALL 細胞株バンクが薬剤感受性の解析において極めて有用なモデルであることを明らかにしてきた 1 〜 3)。 本研究では ALL 細胞株バンクをモデル実験系として、化学療法剤に対する感受性を規定するゲノム情報を網羅的に解析することを目標とし、既存のALL 細胞株バンクデータに RNA シークエンス試みた。今までの ALL 細胞株を用いた解析では、生物学的特性の主要な規定因子である ALL 細胞株の遺伝子転座を同定した上で、様々な遺伝子発現レベルとの関係をさらに個別に調べてきた。しかし、RNA-seq の導入により、遺伝子転座と全ての遺伝子発現レベルを同時に検出することが可能になり、その情報量は大幅に増加した。その結果、臨床検体を用いた解析において遺伝子転座と遺伝子発現レベルとの関連について報告されるようになった 4,5)。この関係性は ALL 細胞株においても観測される可能性が高い。しかし、約 2,000 のがん細胞株データベースである米国 Broad Institute の Cancer Cell Line Encyclopedia(CCLE)にさえ、ALL 細胞株は約30 株しか存在しておらず、ALL 細胞株に関する臨床的に有用な解析を行うには不十分であった。本研究では山梨大学小児科学講座が保有する ALL細胞株バンクの細胞株の RNA-seq 解析を行い、遺伝子転座と遺伝子発現レベルとの関連について解析した。続いて、細胞周期に関連する遺伝子とALL の再発に関連する遺伝子について解析した。さらに、解析の過程で希少な遺伝子転座を有するALL 細胞株を初めて同定することに成功し、その細胞生物学特性について詳細に検討した。 本研究は山梨大学倫理委員会の承認を得られた承認番号 1231(2018 年 7 月 9 日)の一部として実施した。T-ALL (n=23)DUX4-R (n=2)Ph-like (n=3)IgH::CRLF2 (n=2)P2RY8::CRLF2 (n=1)TCF3::HLF (n=4)MEF2D-R (n=21)MEF2D::BCL9 (n=12)MEF2D::HNRNPUL1 (n=8)MEF2D::DAZAP1 (n=1)BCR::ABL1 (n=18)TCF3::PBX1 (n=16)KMT2A-R (n=14) KMT2A::AFF1 (n=7)KMT2A::MLLT1 (n=4)KMT2A::MLLT3 (n=2)KMT2A::MLLT10 (n=1)B-Others (n=15)122 leukemia cell linesETV6::RUNX1 (n=6)239

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