結 論追 記謝 辞利益相反10小さい患者ではやはり体重あたりの投与量を減じる必要性が PD 解析の結果によっても明らかとなった。 PPK-PD モデル解析の検討では、GCV 濃度に応じて線形に好中球の増殖が阻害されるモデルが最も予測性が良好であった。また、Edrug を除外したモデルで推定を行ったところ、目的関数が有意に増加(715 → 734、p < 0.01、 χ² 検定)することから、GCV 濃度が好中球数変動の因子となることが明らかとなった。最終モデルの個体内変動は大きいが、特に G-CSF 投与後の好中球数の上昇幅が個体内でもばらつきが大きく、G-CSF への反応性の違いが影響しているのではないかと考える。一方で、外部バリデーションにおいては良好な予測ができており、今回作成したモデルの妥当性が示された。 シミュレーション結果より、体重あたりの同一投与量では血中濃度が高くなりやすい PMA が小さい早産児において好中球減少症が起こりやすいことが明らかとなった。したがって、特に早産児では投与後 3 週間程度は好中球数の低下に注意をする必要がある。今回実施した PPK-PD 解析は、少数例の患者からの推定であり、多くのパラメータを既報の値に固定して実施した。また、薬剤への感受性を示すパラメータである Slope の個体間変動が大きい。近年、小児肝移植患者における VGCVによる好中球減少に GCV の代謝に関わる Nudix hydrolase 15(NUDT15)の遺伝子多型の関与が報告されている 14)。今後は、さらにサンプルサイズを大きくし、モデルパラメータの妥当性評価および個体間変動の要因を同定することでより好中球減少が起こりやすい集団を特定し、適切な投与設計に繋げられると考える。 先天性 CMV 感染症の小児において、GCV のCL に PMA が有意な影響を与えることを明らかとし、目標 AUC0–24(40–60 µg *hr/mL)を達成するためには、PMA が小さい早産児では VGCV の投与量を減量すべきであることが示された。また、GCV 血中濃度と好中球減少の関係を予測する PK-PD モデルを構築したところ、PMA の小さい患者では体重あたりの同一投与量ではより好中球減少のリスクが高いことが明らかとなった。これらの情報は、特に早産児における VGCV の投与最適化に有用な情報となると考える。 本研究の一部は、Therapeutic Drug Monitoring誌 10)に発表した。 本研究を遂行するにあたり、研究助成を賜りました公益財団法人臨床薬理研究振興財団に心より感謝申し上げます。 ま た 本 研 究 で は、 多 施 設 共 同 医 師 主 導 治 験(jRCT2051190075)で得られた匿名化済みデータを提供いただき、倫理委員会の承認を得て実施しました。データの提供および使用許可をいただきました、神戸大学医学部附属病院 野津寛大先生、筧康正先生、今井匠先生、日本大学医学部附属板橋病院 森岡一朗先生、埼玉県立小児医療センター 岡明先生、東京大学医学部附属病院 高橋尚人先生、藤田医科大学病院 吉川哲史先生、愛知医科大学病院 伊藤嘉規先生、長崎大学病院 森内浩幸先生に深謝いたします。 本研究に関して開示すべき利益相反はありません。
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