臨床薬理の進歩 No.47
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対象と方法の承認(No. 3,684)を得て実施した。本研究はヘルシンキ宣言を遵守して行い、インフォームドコンセントを行った上で、研究に書面での同意を得られた患者を対象とした。対象患者 和歌山県立医科大学附属病院(当院)において2022 年 1 月から 2024 年 6 月までに TOF 治療を新規に開始し本研究に同意が得られた潰瘍性大腸炎患者を対象とした。 対象患者の選択基準は、① 18 歳以上、② 同意取得の 3 か月以上前に潰瘍性大腸炎と診断されている、③ TOF を内服中である、④ 患者本人から文書による 同意が得られる患者、とした。除外基準は、① 妊娠中もしくは授乳中の女性、② TOF に対し過敏症の既往歴のある者、③ 以前に潰瘍性大腸炎に対する外科的処置を受けている者、④ 非経口栄養に依存している者、⑤ Child-Pugh 分類 Class C の肝障害を有する者、⑥ 活動性結核または未治療の潜在性結核に罹患している者、⑦ 直近 5 年以内に悪性腫瘍の既往を有する者、⑧ 精神疾患を有する者、⑨ 日和見感染症または免疫不全症候群の病歴を有する者、⑩ その他、医師が本試験を安全に実施するのに不適当と判断する者、とした。試験のスケジュール 対象患者の血液採取は、TOF 初回投与日を第 1 日として第 4 日以降(定常状態到達後)における午前の TOF 内服前および内服 0.5、1、2、3、4 時間後に行った。TOF および M9 の AUC0-4 は台形法を用いて算出した。血液採取から 3 か月間有害事象の有無を観察した。継続投与していれば 3 か月後の TOF の午前内服分の内服前に血液採取を行い観察終了とした。また、有害事象や病状増悪などのため内服終了する際には血液採取を行い観察終了とした。個々の患者の Mayo スコアに基づく寛解220したがって患者個人に対する適切な TOF の投与量 の設定は重要であると考えられる一方、現在はTOF の治療薬物モニタリング(TDM)は確立されておらず 1,2)、投与量調節の指針がないため固定用量で一様に投与されているという課題がある。 TOF の薬物動態に関しては、約 70% が肝臓で主として CYP3A4 や CYP2C19 により、JAK 阻害活性が TOF の 10% 以下である M9 などの代謝物 に変換され、残りの約 30% が腎排泄される 3,4)。したがって、CYP3A4 や CYP2C19 の活性に影響する遺伝子多型や腎機能は、TOF の薬物動態を変動させると考えられる。また、CYP の発現量や代謝 活性は炎症反応により低下することが知られており 5,6)、潰瘍性大腸炎においては炎症度に応じて炎症性サイトカインの産生量が変動することで、代謝機能が変化し、TOF の血中濃度が治療経過の中で変動する可能性がある。TOF の血中濃度と臨床効果は関連することが報告されていることから 7)、TOF の TDM に基づく投与量調節は有望であると考えられる。 以上のことから、TOF の有効かつ安全な個別化投与設計法の開発に資するエビデンスを確立する ために、本研究では潰瘍性大腸炎の治療経過において炎症反応の強度が変動することに着目し、前向き観察研究として IL-6 や CRP などの炎症マ ー カ ー、TOF お よ び M9 血 中 濃 度 を 測 定 し、CYP3A4、CYP3A5、CYP2C19 の 遺 伝 子 多 型 を解析した。加えて、潰瘍性大腸炎患者の炎症マーカーと TOF および M9 血中濃度との関連解析を行ったので、本稿ではその研究成果について報告する。倫理的配慮 本研究は、和歌山県立医科大学倫理審査委員会

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