方 法antagonist:MRA)、ナトリウムグルコース共輸送体2 (Sodium Glucose Cotransporter-2:SGLT2)阻害薬の 4 剤併用療法が確立し、予後改善効果が明確にfibroblast:aFib)」と、促進する「線維化を促進する収縮性が保持された心不全に対する国産治療法の開発示されている。一方で、HFpEF はその病態が複雑かつ多因子的であり、近年 SGLT2 阻害薬および非ステロイド型 MRA であるフィネレノンの有効性が報告されているものの 3〜5)、依然として死亡率・再入院率の高い難治性疾患である。HFpEFは高齢者、肥満、糖尿病、高血圧、慢性腎臓病、慢性炎症など多様な背景因子を持つ集団で発症し、循環器領域における最大のアンメット・メディカル・ニーズと位置づけられている。 HFpEF の病態形成には、心筋のエネルギー代謝異常、ミトコンドリア機能障害、心筋細胞のカルシウムハンドリング異常、微小循環障害、慢性炎症、そして間質線維化など、さまざまな機序が関与する ことが報告されている 6)。近年、米国の研究グループ により、高脂肪食と一酸化窒素合成酵素阻害薬L-NAME を併用して誘導するマウス HFpEF モデルが報告され、肥満・高血圧・心拡張障害・肺うっ血など臨床像を良好に再現する動物モデルとして広く用いられている 7)。このようなモデルの確立により、HFpEF 病態の理解は進展したが、依然として病因の全貌は明らかでなく、治療標的の探索が続けられている。 名古屋大学腫瘍病理学との共同研究により、我々は心臓線維芽細胞の多様性に着目し、線維化を抑制する「線維化を抑制する線維芽細胞(anti-fibrotic 線維芽細胞(pro-fibrotic fibroblast:pFib)」の存在 を見出した。さらに、aFib に特異的な膜結合型 タンパク質として Meflin(Islr 遺伝子産物)を同定した 8)。大動脈結紮手術による左室後負荷心不全 モデルを用いて Meflin 欠損マウスを解析したところ、心臓組織の線維化とそれに伴う組織の硬化,左心室壁肥厚、左室狭小化が顕著であった 8)。以上のことから、Meflin 欠損マウスに生じた心不全はヒトのHFpEF に極めて類似した形質を示すこと、したがって Meflin が HEpEF の病態に関与することが示唆された。これらの結果を元に、HFpEF マウス モデルを用いて Meflin 欠損マウスを解析したところ、心筋線維化が顕著であり、拡張機能障害を呈する一方、Meflin を心臓特異的に過剰発現させることで線維化抑制および拡張機能・運動耐容能の改善が得られることを明らかにした(未発表データ)。これらの結果から、Meflin 発現を誘導する化合物が抗線維化を介して心不全治療に有用であると考えた。本研究は、HFpEF という未充足領域に対して新たな治療オプションを提示することを目指すものである。HFpEF モデルマウスの作製 HFpEF モ デ ル は、Schiattarella ら の 報 告 7) に準拠して作製した。8 〜 10 週齢の雄性マウスに対し、高脂肪食(Rodent Diet with 60% kcal% fat、D12492、Research Diets Inc.)を給餌し、同時に一酸化窒素合成酵素阻害薬 N ω - ニトロ -L- アルギニンメチルエステル塩酸塩(L-NAME、N5751、Sigma-Aldrich)を 0.5 g/L の濃度で飲料水に溶解して自由摂取させた。これらを 5 週間継続することで、耐糖能異常および血圧上昇を伴う HFpEF様病態を誘導した。モデル作製後、心機能および形態学的評価を行い、HFpEF モデルが成立していることを確認した。薬剤投与 HFpEF モデルの誘導期間終了後も、高脂肪食 および L-NAME 含有飲料水の投与を継続したうえ で、薬剤投与を開始した。本研究では、Meflin の発現を誘導する薬剤、国産および早期の臨床応187
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