追 記謝 辞利益相反 本研究により、日本人クローン病患者においても白人患者と同様に、パネート細胞の異常が存在することが明らかとなった。本研究の成果は、日本人クローン病の病態機構の解明に寄与するとともに、パネート細胞異常を診断・予後予測に活用できる新たなバイオマーカーとして臨床応用につながる可能性を示している。 パ ネ ー ト 細 胞 数 の 解 析 結 果 の 一 部(図 3 )、 パネート細胞内顆粒の形態学的解析の定量的評価(図 4)、臨床サンプルを用いた小腸陰窩における 杯 細 胞・ 上 皮 細 胞 死 の 解 析 結 果 の 定 量 的 評 価(図 5、図 6)、ヒトオルガノイドを用いたオルガノイド生存率の定量的解析結果(図 8)については、本文中に記載した通りの結果を得ていますが、現在英文論文の投稿準備中であり、本報告書にはデータを含めてその詳細を記載できないことをお断りいたします。 本研究の遂行にあたり、研究助成を賜りました 公 益 財 団 法 人 臨 床 薬 理 研 究 振 興 財 団 に 心 よ り御 礼 を 申 し 上 げ ま す。 な お、図 1の 模 式 図 はBioRender.com のテンプレートを基に作成したものです。 本研究において開示すべき利益相反はありません。152に示す実験的データは十分ではない。1 つの仮説として、パネート細胞が過剰な細胞死により減少している可能性が考えられる 11)。実際、本研究において我々はクローン病におけるパネート細胞数の減少が TUNEL 陽性の死細胞数の増加と逆相関している可能性を見出した。さらに、CC3 陽性細胞の増加を伴わずに TUNEL 陽性細胞が増えていたことから、腸管上皮が非アポトーシス性の細胞死 経路(カスパーゼ非依存性細胞死)で死滅している可能性が示唆された 9,25,26)。興味深いことに、複数の報告で、カスパーゼ非依存的なプログラム細胞 死 で あ る ネ ク ロ プ ト ー シ ス(necroptosis) が、 欧米人クローン病患者における主要な上皮細胞死の様式であることが示されている 9,10,27)。今後、lysozyme と リ ン 酸 化 型 MLKL(phospho-MLKL)との共免疫染色を行うことで、日本人クローン病患者の陰窩におけるパネート細胞ネクロプトー シスの存在を検証できるかもしれない。 さらに、本研究の一部の知見は、対応する患者から樹立した小腸オルガノイドにおいても再現された。特に、クローン病患者由来の小腸オルガノイドが TNFα誘導性細胞死に対して高い感受性を示したことは、抗 TNFα抗体治療が多くの症例で著効を示す病態的基盤を反映していると考えられる。先行研究では、ATG16L1T300A 変異がヒト腸管上皮の細胞死感受性を高めることが報告されている 10) が、今回の結果は ATG16L1 以外の遺伝要因もオルガノイドの生存性を制御している可能性を示す。今後、より多くのヒトオルガノイド株を用いた解析が必要ではあるものの、本研究で確立した in vitro オルガノイドモデルは、日本人クローン病患者の腸管上皮における細胞死の種類を検証するだけでなく、パネート細胞を標的とした新たな治療法探索のための有用なツールとなると考えられる。
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