臨床薬理の進歩 No.47
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*1 Itohara Kotaro *2 FujIoKa KazumIchI 神戸大学大学院医学研究科小児科学分野*3 Yano IKuKo はじめに要   旨目的 先天性サイトメガロウイルス感染症の新生児を対象に、ガンシクロビル(GCV)の薬物動態変動における臓器機能の成熟の影響、および GCV 血中濃度と好中球減少の関連解析を行った。方法 対象患者 8 例の GCV 血中濃度データ計 27 ポイントを用いて母集団薬物動態(PPK)解析を実施した。また、好中球数データ 150 ポイントを用いて好中球数変動を予測する PPK- 薬効(PD)モデルを構築した。結果 PPK 解析の結果、GCV のクリアランスの共変量として体重および成熟度が抽出され、目標血中濃度を達成するためには、早産児では減量が必要であることを明らかにした。また、PPK-PD モデルより早産児では体重あたりの同一投与量では好中球減少のリスクが高くなることを示した。結論 早産児では臓器成熟が不十分であり、体重あたりの同一投与量では GCV 血中濃度が高値となり、好中球減少のリスクが高まるため特に注意を要する。Key words:バルガンシクロビル、PK-PD 解析、母集団解析、先天性サイトメガロウイルス感染症、好中球減少症神戸大学医学部附属病院薬剤部神戸大学医学部附属病院薬剤部症候性先天性サイトメガロウイルス感染症におけるバルガンシクロビルの PK-PD 解析Pharmacokinetic and pharmacodynamic analysis of valganciclovir in patients with congenital cytomegalovirus infection1 症候性先天性サイトメガロウイルス(CMV)感染症は、母子感染症である TORCH 症候群に分類され、その中で最も高頻度に胎児へと感染する疾患である。バルガンシクロビル(VGCV)は、16 mg/kg を 1 日 2 回 6 ヵ月間投与することにより、全血中 CMV 量の低下や感染症に伴う聴力障害への改善などが認められており、2023 年 3 月に症候性先天性 CMV 感染症への適応が追加された。一方で、症候性先天性 CMV 感染症への 6 週間の治療により対象患者の約 20% に Grade3-4 の好中球減少が生じたという報告 1)があり、体重あたりの投与量調節では 6 ヵ月間の治療期間を完遂できない症例が存在する。VGCV は体内で、活性代謝物であるガンシクロビル(GCV)に変換されることで効果を発揮するが、GCV の主要な消失経路は腎臓であることから、腎機能が薬物動態に影響を与え、効果・有害反応と関連する。さらに、新生児、特に早産児では臓器機能が未成熟であることから、投与量を決定する際に体格に加えて臓器機能の成熟度を考慮する必要がある。しかしながら、これまでに GCVの薬物動態と臓器成熟度の関連についての報告はなされてない。さらに、好中球減少発症のリスク因子として、GCV の高い血中曝露量や出生週数(GA)が影響することが報告されている 2,3)。そこで、我々は、糸原 光太郎*1 藤岡 一路*2 矢野 育子*3

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