考 察追 記謝 辞利益相反ミトコンドリア代謝阻害剤であるメトホルミン又はチゲサイクリンの併用により MA9/Prdm16 細胞のシタラビン耐性が解除されることを示し、ミトコンドリア好気性代謝の活性化が Prdm16 高発現白血病のシタラビン耐性を直接誘導していることを明らかにした。更に Prdm16 高発現白血病細胞におけるミトコンドリア好気性代謝活性化の分子基盤として、PRDM16 高発現白血病細胞における Myc-Slc1a5 経路を介したグルタミン及びグルタミン酸の細胞内への取り込み亢進によるαKG 以降のTCA 回路反応促進の関与が示唆された。AML ではこれまでの研究でもミトコンドリア好気性代謝とシタラビン耐性の相関が報告されている 3,4)。本研究は臨床的に予後不良な PRDM16 高発現 AML の抗がん剤耐性機構が、近年着目されているミトコンドリア好気性代謝の活性化を基盤として引き起こされていること、ミトコンドリア好気性代謝阻害が抗がん剤シタラビン耐性の克服を目指す上で有望な治療標的になり得ることを明らかにした点で意義のあるものと考える。 本研究成果を Haematologica 誌に発表した 5)。 本研究に助成いただいた公益財団法人臨床薬理研究振興財団に深謝いたします。 本研究に関し、開示すべき利益相反はありません。130ヒ ト AML 患 者 に お い て も PRDM16 高 発 現 はMYC/OXPHOS 経路の活性化と相関する ヒト AML 患者においても PRDM16 高発現とMYC/OXPHOS 経路の活性化との相関がみられるのかを明らかにするため、日本小児白血病研究グループ AML-05 臨床試験に参加登録した 139 例の小児 AML 患者検体の RNA シーケンス解析結果をもとにエンリッチメント解析を実施した。その結果、100 例の PRDM16 低発現例に比べて 39 例の PRDM16 高発現例では OXPHOS 並びに MYCシグネチャーの有意な蓄積を認めた(図 7)。以上から、実際のヒト AML 患者においても PRDM16高発現は MYC/OXPHOS 経路の活性化と相関することが示唆された。 これまでの網羅的遺伝子発現と臨床データを統合した解析の結果、小児・成人 AML の約 30% にみられる PRDM16 遺伝子の高発現例では低発現例に比べて、初回抗がん剤治療に対する奏効が不良 で予後も悪いことが知られていたが、PRDM16高発現 AML が抗がん剤耐性を獲得する詳細な分子基盤については不明であった。本研究では、MA9/ Prdm16 マウス白血病モデルと PRDM16 高発現ヒト白血病細胞株・患者検体を駆使して in vitro、in vivo 双方の機能的解析を行い、PRDM16 高発現白血病細胞が実臨床の寛解導入療法に頻用される抗がん剤シタラビンに薬剤耐性を示すことを明らかにした。また、網羅的遺伝子発現変動・エンリッチメント解析では、MA9/Prdm16 細胞においてがん遺伝子 Myc の発現上昇とともに、Myc シグネチャー及びミトコンドリア OXPHOS シグネチャーの有意かつ強力な集積がみられること、シタラビンと
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