結 論謝 辞利益相反ゾール濃度の同時測定を予定していたものの、測定可能であった症例数が限られ、統計的検証に至らなかった。今後は症例数を増やし、カフェイン濃度変化と心拍変動指標、さらに唾液コルチゾールなどのストレス指標を組み合わせて解析することで、薬物動態-薬力学(PK–PD)モデルとしての定量的評価を計画しており、個々の症例に応じた至適投与設計(individualized dosing)につながる可能性がある。これらの課題を踏まえ、将来的には症例数の拡大、薬物動態データ、生理学的および神経行動学的指標を統合した包括的解析の実施を予定している。 本研究では、カフェイン療法が早産児の自律神経機能に与える影響を初回投与後・維持投与開始後・増量後の 3 時点で検討した。初回投与後および維持投与開始後では SDNN・SDNNI を中心としたHRV 指標が上昇し、自律神経調節能の上昇を示唆する所見を認めた。一方、増量後では HRV 指標に大きな変化は認めず、ストレス反応を示唆する所見を認めなかった。本研究の結果から、カフェイン療法は早産児の自律神経機能に影響を与えると考えられるが、ストレスを惹起する可能性については多角的な評価が必要である。 本研究を遂行するに当たり、研究助成を賜りました公益財団法人臨床薬理研究振興財団に心より感謝申し上げます。 本研究に関し開示すべき利益相反はありません。112されているが、体温変動、睡眠覚醒周期、レニン・アンギオテンシン系などの複合的な因子に影響を受けるとされており、生理的意義は未解明な部分が多い指標であり、臨床的意義の解釈には注意を要する。 なお、早産児では在胎週数が若いほど副交感神経活動が低く、修正週数が進むにつれて自然に増加することが知られている。本研究でも解析時点の修正週数は各時点で異なっていたため、投与前後での自然成熟による影響を完全に排除することはできない。しかし、カフェイン初回投与後の短時間比較で有意差が確認された点から、今回観察された変化は少なくとも一部はカフェインによる反応に起因するものと考えられる。 また、HRV 解析は長期的な神経発達予後とも関連することが報告されており、NICU 入院中のHRV 解析の推移が将来的な神経行動学的アウトカム(運動・認知・情緒)を予測する可能性が報告されている 12)。本研究では生後早期から退院まで 24 時間連続記録を行っており、将来的な神経学的予後にどのような影響を及ぼすかを検討するため、対象児の神経発達評価と HRV 解析のデータとの関連性について解析を行う予定である。 本研究にはいくつかの限界がある。第一に、各時点での対象症例が完全に一致しておらず、同一児の縦断的変化を厳密に評価できなかった。第二に、サンプルサイズが少なく、統計的検出力に限界がある。第三に、静睡眠判定に有用である脳波を用いておらず、心拍波形および看護記録に基づく評価であったため、判定の正確性に限界がある。第四にストレス指標の評価が一面的であり、多角的な評価が実施されていない。特に、早産児のストレス評価においては唾液コルチゾールや行動観察スケールなどの使用が有用とされているが、本研究ではそれらの指標を十分に活用できなかった。また、当初は血中カフェイン濃度および唾液コルチ
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