臨床薬理の進歩 No.47
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*1 Miura Motoyasu 静岡県立大学薬学部実践薬学分野*2 uchida shinya 1)2)。これまでに PAH 治療薬の臨床効果に関する1)はじめに要   旨目的 実臨床における肺動脈性肺高血圧症(PAH)治療薬の薬物動態(PK)特性は十分に明らかでない。本研究では母集団薬物動態(PPK)解析を用いて、小児および成人患者における PAH 治療薬の PK 特性を検討した。方法 Sildenafil(SIL)、tadalafil(TAD)、bosentan(BOS)、および ambrisentan(AMB)のいずれかを投与されたPAH 患者を対象とし、非線形混合効果モデリングにより解析した。ベイズ推定を用いて両群の定常状態での血漿中薬物濃度(CSS)を算出した。結果 母集団クリアランスは SIL 60.6、TAD 1.76、BOS 8.85、AMB 0.59 L/h であった。小児患者の推定 CSS は成人に比べ低値を示した(26.0–72.2%)。結論 小児および成人患者における PAH 治療薬の PK パラメータとその変動要因を実臨床データから明らかにした。Key words:肺動脈性肺高血圧症、母集団薬物動態、血漿中薬物濃度、小児、ベイズ推定     同   上小児および成人患者における肺高血圧治療薬の母集団薬物動態解析Population pharmacokinetic analysis of pulmonary arterial hypertension drugs in paediatric and adult patients96  肺 動 脈 性 肺 高 血 圧 症(Pulmonary arterial hypertension:PAH)は、肺動脈圧の上昇と肺血管抵抗の増加を特徴とする慢性進行性疾患であり、最終的には右心不全や死亡に至る希少疾患であるPAH は小児から高齢者まで幅広い年齢層で発症し、患者の年齢分布には大きなばらつきがみられ、PAHの病因は様々であることが知られている。なかでも内皮機能障害に関連した血管病態、特に nitric oxide–soluble guanylate cyclase–cyclic guanosine monophosphate(NO–sGC–cGMP)経路、endothelin経路、prostacyclin 経路などの主要シグナル伝達経路の調節異常が関与していると考えられている。 現在 PAH 治療には、phosphodiesterase-5(PDE-5)阻害薬、soluble guanylate cyclase 刺激薬、endothelin受容体拮抗薬、prostacyclin類似薬、および prostacyclin受容体作動薬が用いられている。近年では、治療初期から upfront combination therapy として PDE-5阻害薬と endothelin 受容体拮抗薬の併用療法が推奨されている。この初期併用療法の導入に伴い患者予後は大きく改善し、5 年生存率は 1980 年代の 34.0%から、最近の報告では 55.2%まで向上している報告は数多く存在するものの、治療薬の薬物動態(PK)特性に関する研究は限られており、特に小児患者における情報は少ない。 PK 解 析 の 手 法 の 一 つ に 母 集 団 薬 物 動 態(Population Pharmacokinetics:PPK)解析が知られている。PPK 解析は、希少疾患のようにサンプル数が少ない場合や小児または高齢者などの血液サンプリングが困難な被検者を対象とする PK 解析。三浦 基靖*1 内田 信也*2

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