*1 Kumondai masaKi 東北大学病院 薬剤部*2 HayasHi nagomi 東北大学 薬学部*3 matsumoto yotaro 東北大学病院 薬剤部、東北大学 薬学部*4 Ebata aKiKo *5 maEKawa masamitsu 東北大学病院 薬剤部、東北大学 薬学部*6 mano nariyasu はじめに要 旨 薬物代謝酵素シトクロム P450 2D6 (CYP2D6)は、臨床で使用される薬剤の約 20% の代謝反応を触媒する重要な酵素である 1)。CYP2D6 活性には著しい個人差が存在するため、治療効果や有害反応発現の個人差に影響を及ぼす一因となっている 2)。薬理遺伝学検査の臨床実装を目指す国際コンソーシアム(Clinical Pharmacogenetics Implementation Consortium:CPIC)は、CYP2D6 遺伝子多型情報を活用した投与量設計アルゴリズムを提唱している 3)。目的 CYP2D6 活性には著しい個人差があり、治療効果や有害反応発現に影響する。本研究では、CYP2D6 活性予測バイオマーカー候補化合物 Solanidine およびその代謝物の LC-MS/MS 定量系を構築し、臨床応用への可能性を検討した。方法 Solanidine 代謝物を有機合成し、LC-MS/MS 定量系の測定精度および真度を評価した。研究協力者を対象に CYP2D6 遺伝子多型解析、血中 CYP2D6 バイオマーカー量の測定を行った。CYP2D6 基質薬物を長期服用している研究協力者の血中のタモキシフェン(TAM)およびその代謝物の定量を行った。結果 LC-MS/MS による CYP2D6 バイオマーカー定量系を構築した。既報でバイオマーカー候補として報告されていた 4-Hydroxysolanidine を同定した。研究協力者血漿検体中のバイオマーカー濃度比は CYP2D6 遺伝子型による活性の違いを反映していたものの、CYP2D6 基質薬物の代謝物比とも有意な相関は示さなかった。結論 CYP2D6 活性予測バイオマーカー測定は、直接投与量調整に活用することは難しいものの CYP2D6 PM の識別に有用であることが示唆された。また、遅発性ジスキネジア治療薬バルベナジンや注意欠陥 / 多動性障害治療薬アトモキセチンは、医薬品投与時点における CYP2D6 活性を考慮した使用可否の判断を要する旨が添付文書に記載されており、薬理ゲノミクスに基づいた診療が行われている。したがって、臨床現場における患者個々のCYP2D6 活性の迅速な評価は、より最適化された個別化薬物療法に有益である。 現代の医療における患者個々の薬物代謝酵素活性指標は、遺伝子多型解析およびマイクロドーズ試験に限られている。CYP2D6 遺伝子は複数の塩基Key words:CYP2D6、Biomarker、Solanidine、4-Hydroxysolanidine、LC-MS/MS東北大学病院 総合外科(乳腺・内分泌グループ) 同 上実臨床における CYP2D6 活性予測バイオマーカーの有用性評価Evaluation of the clinical utility of biomarkers for predicting CYP2D6 activity87公文代 將希*1 林 和未*2 松本 洋太郎*3江幡 明子*4 前川 正充*5 眞野 成康*6
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