臨床薬理の進歩 No.46
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結  果臨床研究 本研究では、計24名の患者が対象となった。対象患者に投与された抗微生物薬には、ピペラシリン・タゾバクタム(n = 6)、セフトリアキソン(n = 5)、アンピシリン・スルバクタム(n = 3)、セファゾリン図1 対象患者の便中における代謝物プロファイル(A)入院時(Pre)および2回目(Post)に採取された便中に含まれる代謝物の主成分分析。PC1およびPC2はそれぞれ第1主成分および第2主成分を示す。(B)各代謝物の含有量を示したヒートマップ。抗微生物薬の非経口投与が便中の短鎖脂肪酸および胆汁酸に及ぼす影響(n = 2)、 アジスロマイシン(n = 2)、アンピシリン(n = 1)、セフメタゾール(n = 1)、セフェピム(n = 1)、レボフロキサシン(n = 1)、または、メロペネム(n = 1)が含まれた。測定対象とした17種類の代謝物は、少なくとも1つの便検体において検出された。最も高濃度で検出されたのは酢酸であった。主成分分析により、便中の代謝物プロファイルを比較したところ、ピペラシリン・タゾバクタム、アンピシリン・スルバクタム、アンピシリン、または、メロペネムが投与された患者(Group 1)から採取された2回目の便検体と、これらの患者から入院時に採取83

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