結 果図1 整腸剤ならびに発酵食品に含有される細菌の薬物代謝能in vitroスクリーニング(n=3)S. faecalis bioferminR: Streptococcus faecalis bioferminR, S. faecalis bio3: Streptococcus faecalis bio3, C. butyricum bio3: Clostridium butyricum bio3, C. butyricum miyaBM: Clostridium butyricum miyaBM, B. longum: Bifidobacterium longum, B. bifidum: Bifidobacterium bifidum,B. lactis CNCM I-2494: Bifidobacterium lactis CNCM I-2494, L. casei YIT 9029: Lactobacillus casei YIT 9029, L. casei NY1301: Lactobacillus casei NY1301, B. subtilis natto: Bacillus subtilis natto, B. subtilis 168: Bacillus subtilis 168, B. TO-A: Bacillus subtilis TO-A,L. bulgaricus: Lactocacillus bulgaricus, L. casei NY1301: Lactobacillus casei NY1301VACV:バラシクロビル、MOL:モルヌピラビル、IMA:イマチニブ、NIR:ニルマトレルビル、OSM:オシメルチニブ、RITV:リトナビル、TCL:タクロリムス、EVL:エベロリムス整腸剤および発酵食品由来細菌が医薬品の PK/PD に与える影響についての検討した。菌投与群には最終的な菌数約108の菌を投与した。各薬物の最高血中濃度到達時間経過後に安楽死させ、心採血を行い各薬物血中濃度をLC-MS/MSにて測定、評価した。本実験は九州大学医学部動物実験委員会の承認を得て実施した。健康成人での検証 日本人健康成人の志願者10人を対象とした。朝にタクロリムス水和物(プログラフ®カプセル、5 mg)を1カプセル、バラシクロビル塩酸塩(バルトレックス®錠、500 mg)を1錠、薬物Xをぞれぞれ内服後24時間まで経時的に採血を行い、血中濃度を測定した。最低3日間wash out期間を設けた後、朝にB. subtilis TO-Aを含む整腸剤(ビオスリー®配合OD錠、2錠)、タクロリムス水和物(プログラフ®カプセル、5 mg)を1カプセル、バラシクロビル塩酸塩(バルトレックス®錠、500 mg)を1錠、薬物Xをそれぞれ単回経口投与し、経時的に採血、血中濃度を測定することにより整腸剤による影響について検討した。なお、本研究は九州大学病院臨床研究審査委員会の承認を得た上で実施された(承記番号:CRB7180005)。すべての研究対象者に研究に関して説明文書を用いた説明を行い、文書による同意を得た。統計 統計ソフトEZRを使用した。2群間の平均値の比較はt検定を行った。3群以上の平均値の比較はDunnett検定により実施した。統計的有意水準はp<0.05とした。整腸剤に含有されている細菌の薬物代謝能 生菌含有整腸剤ならびに市販の発酵食品より各種細菌を単離、培養し、薬剤の代謝能の有無について検討した。各薬物を添加した培地にこれらの細菌を接種し、24時間培養を行った後に薬物の残存率を測定した。最も培地中薬物濃度の顕著な低下が見られたのは整腸剤由来のB. subtilis TO-Aと納豆73
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