臨床薬理の進歩 No.46
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C350300250200150100500B350300250200150100500omp(/lAil****050505iV00 )nietorpgmekatpuenpazoC/lomp()nm01/gmTime (min)OATP1B1によるCLZ取り込みに対するトランスポーター阻害剤の影響 OATP1B1によるCLZ取り込み特性評価の一環として、トランスポーター阻害剤の感受性を評価した。ネガティブコントロールとして、OATP1B1の輸送を阻害しないOAT阻害剤のパラアミノ馬尿酸(PAH)を使用した。結果、OATP1B1の強力な阻害剤であるシクロスポリンAとリファンピシンがOATP1B1を介したCLZ取り込みをそれぞれ37.5%および20.6%阻害することが示された。しかしながら、これらの効果は比較的弱く、統計的に有意な差は認められなかった(図4)。他のOATPの基質や阻害剤についても同様に、OATP1B1を介したCLZの取り込みに対する有意な阻害は認められなかった(図4)。CLZとOATP1B1の結合構造予測 分子ドッキングプログラムを用いてCLZとシクロスポリンAのOATP1B1における結合部位を予測した。クライオ電子顕微鏡(Cryo-EM)を用いて決定されたOATP1B1の構造には、外向きと内向きの開口状態がある11,12)。本解析では、OATP1B1の両方の構造に対してリガンド結合構造をモデル化することができた(図5)。モデル化した結合ポーズは、既知の基質の結合部位と共通していた。ShanTime (min)Time (min)Clozapine(µM)15751001015101535030025020015010050010300025002000150010005002550図2  OATP1B1、OATP1B3、およびOATP2B1安定発現HEK293細胞によるCLZ取り込みの時間依存性試験X軸は時間、Y軸はCLZの取り込み値を示す。細胞は、1 µMのCLZを含む37 ℃のKHバッファー(pH7.4)で1、5、10、および15分間インキュベーションした。(A)、(B)、および(C)はそれぞれ、OATP1B1、OATP1B3、およびOATP2B1の結果を示す。白丸および黒丸はそれぞれmock細胞(〇)およびOATP安定発現HEK293細胞(●)を示す。*はmock細胞と比較し有意な差が認められたポイントを示す(p < 0.05)。全てのデータは平均±標準偏差(S.E.)(n = 3)で示した。文献 9)より引用、 改変。図3  OATP1B1によるCLZ取り込みの濃度依存性試験X軸はCLZ濃度、Y軸はCLZの取り込み値を示す。細胞は、0.3、1、3、10、30、および100 µMのCLZを含む37 ℃のKHバッファー(pH7.4)で10分間インキュベーションした。OATP1B1を介したCLZ取り込みは、OATP1B1安定発現細胞の取り込み値からmock細胞の取り込み値を差し引くことで求めた。全てのデータは平均±標準偏差(S.E.)(n = 6)で示した。文献 9)より引用、 改変。64れたOATP1B1の取り込み実験結果について、JMP Pro 17ソフトウェアを用いて、ミカエリス・メンテン式に当てはめたところ、OATP1B1によるCLZ取り込みのKm値は38.9 ± 4.9 μM、Vmax値は2752 ± 831 pmol/mg protein/10 minと算出された。

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