心不全入院回避生存率(%)0p(p=0.020)。2020年以降に慢性心不全に対して使用7 8 7 3 ログランク検定=0.0005100806040200 100 200 300 (日)リスク人数A群: ヘモグロビン高値、BNP低値(n=10)B群:ヘモグロビン高値、BNP高値(n=10)C群:ヘモグロビン低値、BNP低値(n=9)D群:ヘモグロビン低値、BNP高値(n=7)7 7 7 8 5 3 7 74 40 0A群B群C群D群10 10 9 7 図3 ヘモグロビンとBNPで分けた心不全入院回避生存率ROC曲線に基づきヘモグロビンとBNPのカットオフ値を決定し、両者により4群に分類した(A群:ヘモグロビン高値かつBNP低値、B群:ヘモグロビン高値かつBNP高値、C群:ヘモグロビン低値かつBNP低値、D群:ヘモグロビン低値かつBNP高値)。カプランマイヤー法による心不全入院回避生存率は、4群で有意に異なっていた(1年間で100% [A群]、70.0% [B群]、55.6% [C群]、0% [D群]、p=0.0005)。文献11)より引用、改変。患者の状態によって容易に変化するため、移植登録時の単一の値を使用することの限界がある。ただし本研究では、移植登録時のヘモグロビン値はフォローアップ期間を通じて大きく変化していないことを確認している。第三に、移植登録の時期と転帰との関連を考慮する必要がある。2020 年以降に移植登録されたヘモグロビン高値群の患者は12名、ヘモグロビン低値群の患者は4名であったされているナトリウム・グルコース共役輸送体2(SGLT2)阻害薬はヘマトクリットを上昇させることが知られており、この影響を受けている可能性がある。単変量解析では、SGLT2阻害薬の使用は臨床転帰と有意に関連しないことが示されたが、移植登録時期またはSGLT2阻害薬の使用が転帰に影響したかを結論付けるには、より大規模な研究が54名中16名(42.1%)に貧血が認められ、ヘモグロビンは静注強心薬または機械的補助循環を使用していない心臓移植登録患者における心不全入院の独立した予測因子であった。さらに、慢性心不全の代表的な予後マーカーであるBNPとヘモグロビンという2つの独立した因子を使用して心不全入院回避率を評価したところ、この2つの指標により結果は明確に層別化された。ヘモグロビンのカットオフ値12.8 g/dLが、心臓移植待機中の重症心不全患者の予後マーカーであることを示唆された。研究の限界と今後の課題 本研究の限界は以下のとおりである。第一に、本研究は単施設で実施されたため、対象患者数が少なく、また心臓移植の登録時期は施設によって異なる可能性がある。第二に、ヘモグロビン値は
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