臨床薬理の進歩 No.46
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B名D%A名C名p=0.049)、収縮期血圧が低く(84.0±7.6 vs 88.9±p=0.326)、およびLVEF(26.6±10.9 vs 22.0±結  果図1 ヘモグロビンと鉄代謝マーカーの分布心臓移植登録時のヘモグロビン(A)、トランスフェリン飽和度(B)、フェリチン(C)の分布を示す。ヘモグロビンごとの鉄欠乏の割合を示す(D)。文献11)より引用、改変。心臓移植待機中の重症心不全患者においてヘモグロビンは心不全入院の予測因子となる(SAS Institute)を用いた。(世界保健機関の基準に従い、男性ではヘモグロビンBNP高値(グループD)の4群に分類し、心不全入院回避生存率をカプランマイヤー法を用いて評価し、ログランク検定を使用して比較した。すべての検定は両側検定で、統計的有意性はp<0.05と設定した。すべての統計解析には、JMP Pro 16患者背景 候補となった患者41名のうち、移植登録から入院のままでLVAD装着手術を受けた2名を除外した。また、登録時にアミオダロン誘発性破壊性甲状腺炎による鉄代謝異常を認めた1名も除外した。残りの38名の患者の平均年齢は49.1歳で、男性は27名(71.1%)であった。16名(42.1%) は貧血13 g/dL未満、女性では12 g/dL未満と定義)を認めた。ヘモグロビンの分布を図1Aに示す。最も一般的なヘモグロビンは12.0~12.9 g/dLで、ヘモグロビンの中央値は12.9 g/dLであった。ベースラインの患者背景を表1に示す。ヘモグロビン低値群の患者は、ヘモグロビン高値群と比較してBMIが低く(19.7±3.0 vs 21.7±3.1 kg/m2、6.2 mmHg、p=0.034)、アルブミンが低値であった(4.0±0.4 vs 4.3±0.3 g/dL、p=0.031)。ヘモグロビン低値群では、2020年以降に移植登録された患者の割合が、ヘモグロビン高値群と比較して低かった(4名(21.1%)vs 12名(63.2%)、p=0.020)。年齢(49.1±10.4 vs 49.1±11.4歳、p=0.872)、男性の割合(11名(57.9%)vs 16名(84.2%)、p=0.152)、心不全病悩期間(5.7±4.2 vs 9.8±9.0年、9.9%、p=0.231)については2群間で有意差はなかった。BNPのデータは38名中36名で利用可能であり、2群間で同等であった(552.1±531.3 vs 650.2±417.8 pg/mL、p=0.205)。イバブラジンまたはベルシグアトを服用している患者はいなかった。(g/dL)(g/dL)(ng/mL)49

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