臨床薬理の進歩 No.46
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PROFILE2006年 東邦大学医学部医学科卒業2006年 東邦大学医療センター大森病院研修医2008年 東邦大学医学部内科学講座膠原病学分野(医療センター大森病院)入局東邦大学大学院医学研究科博士課程入学2012年 東邦大学大学院医学研究科博士課程修了2013年 足利赤十字病院内科出向2014年 東邦大学医学部内科学講座膠原病学分野(医療センター大森病院)助教はじめに留学までの道のりミシガン大学留学報告(2021年6月~2024年3月)2016年 足利赤十字病院内科出向2016年 東邦大学医学部内科学講座膠原病学分野(医療センター大森病院)助教2019年 東邦大学医学部内科学講座膠原病学分野(医療センター大森病院)院内講師2021年 ミシガン大学リウマチ内科に研究留学2024年 東邦大学医学部内科学講座膠原病学分野(医療センター大森病院)院内講師村岡(平野)成Muraoka (Hirano) Sei東邦大学医学部内科学講座膠原病学分野(医療センター大森病院) この度、ミシガン大学での2021年6月から2年10か月の研究留学から帰国しました。家族5人で円安の中で過ごしたアメリカ生活に不安もありましたが、臨床薬理研究振興財団の海外留学助成金をいただき、充実したものになりました。ここで紙面をお借りして御礼申し上げるとともに留学報告をさせていただきます。 私は2008年に当時の教授であった川合眞一先生率いる東邦大学医療センター大森病院膠原病科に入局しました。以前から漠然と海外留学したいと考えていましたが、具体的なイメージはなく、日々の忙しさになかば留学を忘れていました。 大学院生時代にはレプチンが関節リウマチ線維芽細胞からのIL-6産生を誘導することを報告し、研究の面白さを学ばせていただきました。以降は、川合教授から現在の南木敏宏先生が教授に就任され、様々な基礎研究や臨床研究に関与させていただきました。また臨床現場においてリウマチ専門医として多くのリウマチ膠原病の患者さんの未解決の課題を実感しました。その頃から集中して研究に従事したい、改めて留学に行きたいと、消えかけていた思いに火がつきました。 留学先を決めるにあたり、ラボの候補を挙げて、そのラボの雇用条件や土地が私の家族とマッチするかどうかを考えました。「どんどんアプライするべき」という意見もありましたが、私には妻と3人の子供がおり、周辺環境などをよく検討しました。ラボの最近の論文はもちろん、イギリス、ドイツと様々な国の財政事情がどうとか、子供の学費、周囲の日本人会など、今考えると考えすぎでしたが、当時は必死でした。私の先輩や教授がいくつか候補を挙げてくださいましたが、やりたいと思っているものと違ったり、環境的に子育てに不安があったりと、すぐには決まりませんでした。その当時、私は教授の指導で行っていたフラクタルカインに関する論文に興味を持っており、その著者がミシガン大学のリウマチ内科の先生でした。東海岸や西海岸は152

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