臨床薬理の進歩 No.46
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*)%(I50A)%(IB)%(Ipp00 率現発のNPOの上以2ドーレグ率現発のNPOの上以2ドーレグ率現発のNPOの上以2ドーレグ3025201510マッチング前2000300040004000100806040201000オキサリプラチン累積投与量(mg)100806040201000オキサリプラチン累積投与量(mg)スタチン系薬剤非服用群(n=353)スタチン系薬剤服用群(n=354)=0.727考  察マッチング前マッチング後大腸がんマッチング後全症例スタチン系薬剤非服用群(n=2223)スタチン系薬剤服用群(n=361)=0.457スタチン系薬剤非服用群スタチン系薬剤服用群20003000図1 グレード2以上のOIPNの発現率全集団および大腸がん患者における傾向スコアマッチング前後のスタチン系薬剤服用群と非服用群におけるグレード2以上のOIPNの発現率。OIPN:オキサリプラチン誘発末梢神経障害、*p<0.03、非服用群と比較図2 スタチン系薬剤服用によるOIPN発現までのオキサリプラチン累積投与量への影響スタチン系薬剤服用群およびスタチン系薬剤非服用群の患者におけるグレード2以上のOIPN発現までのオキサリプラチン累積投与量をKaplan-Meier法により表記し、log-rank検定を行った。(A)全症例、(B)傾向スコアマッチング後リアルワールドデータを用いたオキサリプラチン誘発末梢神経障害に対する予防薬の検討 化学療法を施行されたほとんどの患者において有害反応は生じるが、中でもCIPN(化学療法誘発性末梢神経障害)は最も頻度が高く、生涯何らかの障害が残ることも稀ではない事象の1つである。CIPNは、患者の日常生活に悪影響を及ぼし、QOL全体に影響を及ぼす。様々ながんに対してCIPN誘発剤の使用が増加しており、化学療法の中止を余儀なくされる重要な用量制限因子であることを考慮すると、適切な薬理学的および非薬理学的な管理が必要である。しかし、CIPNは未だにがん治療における重要な課題のままであり1,2)、米国国立がん研究所はトランスレーショナルリサーチの優先課題として指定している6)。今回の多施設共同研究による後方視的カルテ調査の結果から、スタチンを服用しているCRC患者ではOIPNの発現率が低いことが示され、スタチンの神経保護作用の可能性が示唆された。131

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