70(63, 76)240 (67.0)22.2 (20.0, 24.5)7.5 (3.3, 14.8)122 (34.1)230 (64.3)6 (1.7)1.60 (1.42, 1.81)126 (35.2)26 (7.3)109 (30.5)16 (4.5)81 (22.6)175 (48.9)230 (64.3)132 (36.9)74 (20.7)7 (2.0)227 (63.4)25 (7.0)2 (0.6)25 (7.0)7 (2.0)56 (15.6)233 (65.1)6 (1.7)79 (22.1)44 (12.3)119 (33.2)137 (38.3)99 (27.7)286 (79.9)274 (76.5)144 (40.2)275 (76.8)Age,yearSex, maleBody mass index kg/m2Dialysis vintage, yearType of dialysisHDHDF(online HDFandI-HDF)OthersKt/VCause of kidney failureDiabetes mellitusHypertensive kidney diseaseGlomerular diseasePolycystic kidney diseaseOther/unknownComorbidityDiabetes mellitusHypertensionDyslipidemiaMalignancyDuring of cancer treatmentAll Cardiovascular diseaseAutoimmune diseasePrior kidney transplantMedicationSteroidsImmunosuppressive drugsNSAIDSAnti-thrombotic drugsAnti-tumor drugsAnti-allergic drugsInsulinOther antidiabetic drugsAnti-hypertensive drugsStatinVitamin DESACalcimimeticPhosphate binder考 察表1 患者背景中央値(四分位範囲)あるいは人数(%)で示した。ワクチンの抗体価の傾向を明らかにすることができた。 既報の健康成人のデータと比較して、透析患者ではワクチン接種後のSARS-CoV-2 IgG抗体価は低く、透析患者ではワクチンの有効性が健康成人と比べて十分でない可能性があった。海外でのデータでも透析患者における新型コロナワクチンの有効性を検討した研究は限られているが、健康成人と比較してワクチン接種後の抗体価が低く、抗体反応が遅延していたと報告されており9)、本研究も同様の結果と考えられた。またステロイドや免疫抑制薬使用中、抗腫瘍薬治療中などの免疫反応低下のリスクが高い患者ではさらに抗体価が低値となることが明らかとなった。他の報告では、抗体陽性率に好影響を与える因子として、若年であること、先行するCOVID-19感染、血清アルブミン高値が挙げられ、悪影響を与える因子として高齢、免疫抑制治療が挙げられていた9)。本研究では年齢との関係は認めなかったが、これは我が国の透析患者の平均年齢が高いことなど、患者背景の特殊性が考えられた。また一般的に糖尿病の合併は様々なリスクが高いとされるが、今回の対象者では、糖尿病や糖尿病性腎不全の有無と抗体価に有意な相関はみられなかった(データは示していない)。 さらに、本研究では抗PEG抗体とワクチンによって得られるSARS-CoV-2 IgG抗体価の検討を行ったが、関連性は認めなかった。IgMおよびIgG抗PEG抗体は、健康成人でも高い頻度で観察されるとの報告があるが、その意義はいまだ明らかになっていない10)。抗PEG IgMと抗PEG IgGの測定方法およびカットオフ値も含めて、今後の検討課題である。 COVID-19パンデミックの経験から、ワクチン接種によって透析患者のCOVID-19の致死率を下げられること、ブレイクスルー感染のリスクとして抗体価が低いことが示された。我々の結果は、抗体価低値が予想される透析患者に対するワクチン追加接種の重要性を支持すると考えられる。また、今後新たな感染症パンデミックの発生に備えて、124 本研究では、358名という十分な患者を追跡調査することができ、日本人透析患者の新型コロナ
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