結 果13集団のPGx関連遺伝子バリアントの大規模アノテーションデータベースの構築dose)、投与量を減少する (Decreased dose)、代替13集団からの2,998人のうち計2,458人の12遺伝子(2種類)、CYP2B6 (9種類)、CYP2C9 (13種類)、(5種類)、NUDT15(4種類)、SLCO1B1(10種類)、(2種類) の計119アリルを決定した。CYP2D6に薬を提示する (Alternate drug) に分類した。ディプロタイプ、フェノタイプおよび上述の介入方法の対象となる患者の頻度を算出し、棒グラフおよびヒートマップはRソフトウェア (version 4.3.0) を用いて描画した。ジェノタイピング結果 PKseq解析によって2,998人のうち2,878人がカバー率95%以上であったため以後これらのサンプルを解析に用いた。CYP2D6のコピー数解析において、2,998人のうちギリシャからの304人およびインドネシアからの562人のCYP2D6コピー数はソフトウェアが必要とするクオリティをクリアすることができなかったため2,132人のコピー数を決定した。バリアントおよびコピー数の解析を統合後(ABCG2、CYP2B6、CYP2C9、CYP2C19、CYP3A5、DPYD、NAT2、NUDT15、SLCO1B1、TPMT、UGT1A1、VKORC1)のディプロタイプを決定した(図1)。またCYP2D6のディプロタイプ情報が矛盾したサンプルを除き計2,099人のCYP2D6ディプロタイプを決定しアクティビティスコアを算出した (図2)。13集団中のディプロタイプおよびフェノタイプ頻度の比較 CPICガイドラインのアリル定義に従いバリアントおよびコピー数のデータを用いABCG2 CYP2C19(11種類)、CYP2D6(45種類)、CYP3A5(4種類)、DPYD(5種類)、NAT2TPMT(3種類)、UGT1A1(6種類)、VKORC1 ついては、CPICガイドラインに従い各ディプロタイプのアクティビティスコアを算出しフェノタイプに変換した。決定したアリル頻度およびフェノタイプ頻度を集団ごとに比較した (図1)。集団間で頻度差が大きかったアリルはCYP3A5*3 (80.3%、ヨーロッパ96.5%、ナイジェリア16.3%)、NAT2*5 (46.3%、アラブ首長国連邦48.8%、日本2.5%)、ABCG2のTアリル (38.5%、フィリピン38.5%、ナイジェリア0.0%)、CYP2B6*6 (27.3%、インドネシア:43.4%、中国:16.1%)、CYP2C19*17 (25.5%、アラブ首長国連邦25.9%、日本:0.4%)であった。集団間で頻度差が大きかったフェノタイプはVKORC1のワルファリン感受性型 (94.2%、ナイジェリア94.2%、中国および日本0.0%)、CYP3A5のPM(73.0%、ヨーロッパ93.0%、ナイジェリア20.0%)、ABCG2のNormal function (63.0%、ナイジェリア100.0%、フィリピン37.0%)、UGT1A1のNM (53.3%、中国78.3%、ナイジェリア25.0%)、NAT2のSA (51.6%、アラブ首長国連邦68.2%、中国16.7%)であった。 CYP2D6においてはアリル、アクティビティスコア、フェノタイプ頻度を集団ごとに比較した (図2)。CYP2D6のアリルのうち集団間で最も頻度差が大きかったアリルは*10であった (36.9%、中国37.7%、ヨーロッパ0.8%)。また頻度差が10%以上あったアリルは*17 (18.0%、ナイジェリア18.0%、中国、ヨーロッパ、日本、ラオス、ミャンマー、マレーシア、フィリピン、タイ、ベトナム0.0%)、*36+*10 (14.7%、中国14.7%、ヨーロッパ0.0%)、*4 (13.8%、ヨーロッパ14.1%、日本0.3%)、*2 (12.5%、ラオス21.5%、日本9.0%)、*10x2 (11.3%、ベトナム11.6%、中国0.3%)の5種類であった。集団間で最も頻度差が大きかったアクティビティスコアは0.5であった (45.5%、ベトナム48.2%、ヨーロッパ2.7%)。フェノタイプのうち集団間で最も頻度差が大きかったフェノタイプはIMであった (39.6%、ベトナム69.0%、アラブ首長国連邦29.4%)。111
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