方 法した。次に、プロトコール(Thermo Fisher Scientific)に従い、Lipofectamine 3000を用いてMC38細胞に上記の各プラスミドをトランスフェクトした。その後、5μg/mLのblasticidinを用いて7日間培養し、FACS Melody(BD Biosciences)を用いて各遺伝子がノックアウトされたMC38細胞を選別した。PD-L1のノックアウト細胞については、ソーティングの前に細胞を50 ng/mL IFNγ(PEPROTECH)と16時間インキュベートすることで、PD-L1の発現を誘導した上で、ノックアウトされている細胞を分離した。PD-L1 #1: 5’- GTATGGCAGCAACGTCACGA-3’PD-L1#2: 5’- GCTTGCGTTAGTGGTGTACT-3’B2M: 5’-TTCGGCTTCCCATTCTCCGG-3’Ctrl: 5’- GGCTCGGTCCCGCGTCGTCG-3’サンガーシーケンス DNeasy Blood & Tissue Kit(Qiagen)を用いて細胞よりgenomicDNAを精製した。RNAについてはRNeasy Kit (Qiagen)を用いて精製し、逆転写によってcDNAを合成しPCRに使用した。各対応するプライマーを用いてシーケンスする領域をPCR増幅した後に、BigDye Terminator v3.1 Cycle Sequencing Kit(Thermo Fisher Scientific)を用いて、サンガーシークエンスを行った。RNAシーケンス 細胞株や腫瘍よりRNAを抽出し、その量と質を、それぞれNanoDrop 2000c spectrophotometer(Themo Fisher Scientific)とAgilent Bioanalyzer(Agilent)を用いて測定した。RNA-seq用ライブラリーはTruSeq stranded mRNA Library kit(Illumina)を用いて調製し、NovaSeq6000(Illumina)またはNovaseq Xを用いて150bpペアエンドでシーケンスした(Macrogen社)。得られた fastqファイルについては、Trimomatic(ver0.39)を用いて低品質リードをトリミングした。トリミングしたリードは、Hisat2(ver2.1.0)を用いてmm10マウスゲノムにアライメントした。Stringtie 100腫瘍サンプルを複数使用してTCRレパトア解析などを実施した。特に、転移性大腸がん患者では標準治療として転移腫瘍の外科的切除を異時性にも受けるため、異なる時期に取得された複数の切除腫瘍サンプルを使用して解析することとした。細胞株 MC38はKerafast社から購入し、10%FBS、2 mMグルタミン、0.1 mM非必須アミノ酸、1 mMピルビン酸ナトリウム、10 mM HEPES、100単位/mLペニシリン、100μg/mLストレプトマイシンを添加した低グルコースDMEM中で培養した。LLCはJCRBから購入し、10 %FBS、100ユニット/mLペニシリン、100μg/mLストレプトマイシンを添加した高グルコースDMEM中で培養した。大腸がん患者由来細胞株はStemPro hESC medium条件下で樹立した後、RPMI1640培地とF-12培地を1:1で混合した培養液(10 % FBS、10 mM HEPES、100単位/mLペニシリン、100μg/mLストレプトマイシン添加)で培養した。すべての培養細胞は5%CO2を含む37 ℃の加湿インキュベーターで培養した。腫瘍組織検体 大腸がん手術検体は、がん研究会・有明病院で外科的がん切除を受けた患者から残余検体を新鮮な状態で得た。すべての患者より、遺伝子解析を含む研究利用についてインフォームド・コンセントを得た上で、研究に使用した。本研究は、がん研究会の倫理審査委員会により承認されたプロトコール(No.2013-1093)に従って実施された。遺伝子ノックアウト PD-L1およびB2M遺伝子をCRISPR/Cas9システムによってノックアウトするために、以下に記載するgRNA配列をpSpCas9(BB)-2A-Puro (PX459) V2.0ベクター(Addgene)にクローニング
元のページ ../index.html#114