臨床薬理の進歩 No.46
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、、、、、、UC炎症部UC非炎症部CRC非癌部図5 フローサイトメトリーを用いたヒトCRC手術検体から腸管マクロファージ単離SSC :前方散乱光、FSC: 側方散乱光、7-AAD: 死細胞除去、CD45: 白血球共通抗原、HLADR:HLAクラスⅡ抗原、CD14:細菌由来成分の認識受容体UC炎症部UC非炎症部CRC非癌部は認めなかった(図6B)。ヒト腸管マクロファージはいくつかのサブセットがあり、炎症の発生や持続に関与しているマクロファージや抗炎症作用や組織修復に関与しているマクロファージなどが報告されている7-9)。UC炎症部、非炎症部、CRC非癌部のCD45+ HLADR+ CD14+マクロファージをCD163でさらに細分化すると、炎症部でCD163low分画が増加していた(図7)。SOの炎症緩和能とマクロファージ分画が関連していると考え、今後オートファジーを標的とした炎症性腸疾患に対する新規治療法の開発CD163lowおよびCD163highに対するSO投与の効果を評価していく予定としている。SOによるクローン病炎症制御に関する臨床研究 ヒト腸管のin vitro実験にて、オートファジー誘導効果が得られたSOの摂取により病勢コントロールが可能であるか臨床研究の計画および実施を行っている。本研究のマウス実験ではSO投与による他臓器毒性は認めなかった。SOは一部の地域で95

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