臨床薬理の進歩 No.46
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B*0123456A(il50 thgeWevitaeR)10%(-)DSS(-)SO-5-10-15長く、短縮を軽減された。炎症状態の腸管においては炎症細胞浸潤と腺間構造の破綻を認めるが、SO投与により、炎症細胞浸潤はあるものの、腺管構造の維持と炎症細胞浸潤が減少していることが確認された(図2B)。また、SO群、コントロール群で腸管上皮アポトーシスをTUNEL assayを用いて検討した。コントロール群では腸炎誘導によりアポトーシスが亢進しているのに対し、SO群では、DSS非投与の炎症がない状態と同等にアポトーシスSO-TUNELMergeDSS(-)が抑制されていた(図3)。次に、腸管以外の各臓器におけるSO投与の影響について検討した。薬剤性腸炎が誘導された状態において、SO群とコントロール群間で、心臓、腎臓、肝臓、脾臓のHE染色による病理組織学的所見に異常は認めなかった(図4A)。また肝逸脱酵素であるアラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)も併せて検討したが、両群間に差は認めず、SO投与による他臓器毒性は観察されなかった(図4B)。SO-(-)SO(-)SO(days)DSS-SO+DSS+SO+図2  オートファジー誘導化合物SOによる腸炎制御効果薬剤性腸炎誘導マウスにおいて、SO投与により体重減少率、腸管長短縮、病理組織学的所見における炎症像がコントロール群と比較して有意に抑制された。DSS: 2% デキストラン硫酸ナトリウムSO or vehicle with (n = 14) or without (n = 7) , means ± SD. *p<0.05, unpaired, two-tailed Student's t test.オートファジーを標的とした炎症性腸疾患に対する新規治療法の開発図3  TUNEL assayによるアポトーシス評価DSS: 2% デキストラン硫酸ナトリウム、緑:TUNEL、青:DAPI93

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