=オートファジー誘導能の確認=DSS誘導腸炎モデルマウスへの投与効果の確認結 果GFP-LC3in vitroscreeningin vivoscreeningin vivoscreeningへSOを選択16時間順応期間1week候補物質の添加(30400サンプル)day0観察期間7日間DSS 2%化合物 1mg/mL(25サンプル)5時間High-throughput assayGFP-LC3を測定選択day6Sacrifice 有効性評価から14種類、食品由来から11種類を選択した。選択した化合物 25 種を、2%デキストラン硫酸ナトリウム(DSS)投与により腸炎を誘導したマウスに投与し、それらの有効性について検討した。体重減少の抑制効果、腸管長の短縮抑制効果を認め、かつ有効成分に関する先行研究のあるSanguisorba officinalis L.(SO)を選択し、以降の実験を実施した。SOに関しては、これまでに抗腫瘍効果、出血抑制、抗炎症、抗アレルギー能、抗菌作用などに関する報告があるが、腸炎に関連する報告は認めなかった。SOによる腸炎制御効果の検証と毒性評価 DSS投与により作製した腸炎モデルマウスを用いて、SOによる炎症抑制効果を検討した。DSSとSOを投与したSO群とDSSのみのコントロール群、および各々のDSSを投与していない群を作成し4群に分けて、投与後7日目の体重、腸管長、病理組織学的評価を行い、腸炎制御効果について検討した。腸管炎症状態において、SO群はコントロール群と比較して、有意に体重減少が抑制された(図2A)。腸管長においても、炎症により短縮を認めたが、SO群がコントロール群と比較して有意に図1 オートファジー誘導化合物のスクリーニングGFP: 緑色蛍光タンパク質、LC3: 微小管関連タンパク質1軽鎖3、DSS: 2% デキストラン硫酸ナトリウム92Gapdhに対する相対的な発現の倍数差を示した。すべてのリアルタイムqRT-PCR反応は3回ずつ実施した。統計解析 すべての統計解析はJMP Pro 13(SAS Institute Inc.、North Carolina、USA)を使用して行った。統計的有意性の評価には、複数比較のためのDunnett’s testおよび2群間の比較にはunpaired, two-tailed Student’s t testを使用した。p値< 0.05は有意差ありと見なした。オートファジーを誘導する化合物の同定 食品由来化合物ライブラリ5400種類、および低分子化合物ライブラリ25000種類を対象とし、ヒト腸管上皮由来細胞株(Caco2)およびマウス胎児由来線維芽細胞株(MEF)に添加し、リソソームの融合を指標にオートファゴソーム膜の集積を検討し、オートファジー誘導化合物のスクリーニングを行った(図1)。活性の強い順に低分子由来
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