臨床薬理の進歩 No.45
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尿毒症物質濃度目目目目目目0246目目目036905腸内細菌に着目した慢性腎臓病の動脈硬化に対する新規治療法の開発2.50.00.20.00.20.00.51.51.0菌相対存在量2.00.00.20.40.40.40.60.00.20.40.00.20.40.61015特に有意に相関していると思われる腸内細菌CampylobacteralesClostridialesErysipelotrichalesCampylobacteralesClostridialesClostridialesClostridialesClostridialesCampylobacterales考  察腸内細菌が存在した例腸内細菌が存在しなかった例図4 尿毒素と正の相関を示した9菌種4 種類の菌は全て p-CS と相関する菌であった。この 今回尿毒素と関連があると重回帰分析で同定した原因についてははっきりしないが、前述の通りp-CS は食事中のチロシンが腸内細菌によってパラクレゾールに変化し、さらに肝臓で代謝することによって生成される。特に今回のコホートにおいて食事などの生活習慣に偏りがあったとは思えないが、対象とするコホートにより抽出される菌群は異なる可能性はある。また、特に一部の菌についてはその腸内での発現量も全体の 5% 以上と比較的高く、p-CS の産生に強く関わっている可能性は示唆された。特に p-CS と逆相関する菌については、その菌をプロバイオティクスとして摂取することによって p-CS が低下する可能性もある。腸内細菌の解析で常に問題となる点として、腸内細菌が病態の原因になっているのか(今回の場合は抽出した菌が p-CS を増加/低下させているのか)、病態によって結果として腸内細菌が変化しているのかの7575

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