)%(率存生悪増無)%(率存生悪増無)gm量(重瘍腫FM***ITTC*陽性細胞制御性細胞皮下腫瘍肝臓内腫瘍**抗PD-1無増悪生存期間- + - + 無増悪生存期間皮下腫瘍肝臓内腫瘍肝転移病変なし肝転移病変あり胃がんPD-1発現D 8(日)(日)考 察抗 PD-1 抗体治療に抵抗性を示すとともに、hyper (CD8 陽性 T 細胞)の PD-1 発現は上昇する一方で、図 4 各臓器における抗 PD-1 抗体治療効果野生型マウスの皮下、胸腔内、肝臓内に腫瘍細胞を接種し、浸潤リンパ球の表現型や抗 PD-1 抗体治療効果を検討した。肝臓腫瘍では腫瘍浸潤制御性 T 細胞の PD -1 発現が高く、抗 PD -1 抗体治療に奏効しないことが明らかになった(n=4 ないし 6)。t 検定を実施した。Mean±SD。*: p<0.05、ns; not significant。文献 21)より引用、改変。図 5 肝転移病変と抗 PD-1 抗体治療効果の関係肝転移病変を有する胃がん(n=77)、肺がん(n=222)症例では抗 PD-1 抗体の治療効果が低下した。Kaplan-Meier 法、Log-rank 検定を実施した。。*: p<0.05、**: p<0.01。文献 21)より引用、改変。CD8 陽性 T 細胞と制御性 T 細胞のバランスに着眼した新規がん免疫治療戦略への応用腫瘍重量肺がんprogression に繋がっていると考えられ、本機序の重要性が示された(図 4)。 国立がん研究センター中央病院、東病院にて進行胃がんもしくは肺がんがあり、抗 PD-1 抗体治療を受けた患者さんのデータを後方視的に解析したところ、肝転移病変があると抗 PD-1 抗体治療の無増悪生存期間が有意に短くなることが示された(図 5)。また腎がんでも同様な結果が得られた。肝臓に MC38 腫瘍を接種したマウスに MCT1 阻害剤を投与したところ、腫瘍浸潤エフェクター T 細胞制御性 T 細胞の PD-1 発現は減弱した(図 6)。 MCT1 阻害剤を抗 PD-1 抗体と併用することで、肝臓腫瘍において抗 PD-1 抗体治療に対する抵抗性を改善でき、新たな治療標的として臨床開発につながる可能性が示唆された。 ICB 療法の臨床的影響が限定的であることを考えると、免疫精密医療として臨床的効果を高めるためには、反応者を層別化するバイオマーカーの開発が不可欠である。我々は、TME の eTreg 細胞による PD-1 発現が治療抵抗性と関連し、場合によっては PD-1 遮断療法後に過増悪することを明らかにした 12,13)。Treg 細胞では、CD8 陽性 T 細胞で観察されたように、PD-L1-PD-1 軸は SHP2 のリン酸化を介して ZAP70 および AKT のリン酸化を抑制した 12,13)。したがって、Treg 細胞上の PD-L1と PD-1 とのライゲーションは、PD-1high Treg細胞の抑制活性を減衰させる。この PD-1high 53
元のページ ../index.html#67