臨床薬理の進歩 No.45
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AB*CilDl(il子宮平滑筋肉腫に対するマルチオミクス解析による新たな治療標的の探索 )euav-p01gol-ecnecsenmuIevitaeRsenoocfolog2 (Fold Change)3.02.01.0miR-10b-5p の細胞増殖への効果miR-10b-5p のコロニー形成への効果3.02.01.060504030r20eb10mu0N**マイクロ RNA-seq のヒートマップ解析発現変動マイクロ RNA のボルケーノプロット図 3 子宮平滑筋肉腫に特徴的なマイクロ RNA の同定とその機能解析平均±標準誤差NC: Negative control、* p < 0.05、** p < 0.01、Welch’s t-test。 文献 5)より引用、改変prexasertib は、いずれも他がん種に臨床試験中の薬剤である。Phase I、II の臨床試験の結果に基づくと、Grade Ⅲ、IV の有害事象として好中球減少、貧血、血小板減少等が高頻度で認められる 8,9)。しかし、総合的には有害事象は許容内と報告されている。そのため、BI-2536 と prexasertib は、ULMSに対する新規治療薬候補として期待される。 マイクロ RNA は、22 塩基程度の短鎖の RNA であり、相補的な配列をもつ標的遺伝子の発現を制御することが知られている 10)。そのため、がん遺伝子やがん抑制遺伝子の発現を制御することにより、おいては、PLK1 阻害剤もしくは CHEK1 阻害剤は、AURKB 阻害剤より高い抗腫瘍効果を示しており、PLK1 および CHEK1 は新規治療標的と考えられた。PLK1 は、細胞周期に重要な遺伝子であり、種々のがん種において発現上昇が認められている 7)。また、CHEK1 は、DNA 修復に重要な遺伝子であり、細胞周期を制止させることにより DNA 修復の時間的猶予を与えている 7)。つまり、CHEK1 を阻害することにより、DNA 修復が完了していない細胞が分裂期に入り、細胞死に至ることとなる。PLK1阻害剤である BI-2536 と CHEK1 阻害剤である47

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