ABC結 果RNA-seq のヒートマップ解析発現変動遺伝子のボルケーノプロット有意な変調パスウェイ図 1 遺伝子発現情報に基づく ULMS の特徴文献 4)より引用、改変44ある prexasertib(10 mg/kg)もしくは DMSO を週2 回計 8 回腹腔内投与した。腫瘍径を測定し、腫瘍サイズが 2,000 mm3 を超えた時点で sacrifice した。動物実験に関しても、国立がん研究センターの倫理委員会の承認を受けている(No.T18-009)。統計解析 実験結果は、平均(mean)±標準誤差(SEM)で示した。R ソフトウェア(ver.4.0.3)を用いて統計解析を行った。対応のない 2 群間の比較には、Welch’s t-test を使用した。コントロール群に対する3 群間の比較には、Dunnett’s test を用いた。発現変動遺伝子を抽出する際の log2(Fold Change)および p 値の算出には、DEseq2 パッケージ(ver. 1.30.0)を使用した。p < 0.05 の場合に、統計学的に有意な差があると判断した。RNA-seq に基づく新規治療薬開発 国立がん研究センターのバイオバンクの新鮮凍結組織を用いて RNA-seq を施行した。ヒートマップ解析により、ULMS と myoma と遺伝子発現プロファイルは大きく異なることが示された(図 1A)。ただ、6 例の ULMS のうち 2 例は(ULMS-3 とULMS-6)は、myoma に近い性質を示しており、ESR1 遺伝子や PGR 遺伝子の発現高値より、臨床的に悪性度の低い ULMS のサブタイプであることが示唆された。6 例の ULMS と 3 例の myoma について、DEseq2 を用いて統計学的に比較し、ボルケーノプロットにより 512 個(ULMS において発現上昇:387 個、ULMS において発現低下:125 個)の発現変動遺伝子を同定した(図 1B)。この 512 個の発現変動遺伝子について、IPA ソフトウェアによりパスウェイ解析を行ったところ、Kinetochore Metaphase Signaling Pathway(p = 5.01E-24)、Mitotic Roles of Polo-Like Kinase(p = 1.58E-11)、and Cell cycle: G2/M DNA Damage Checkpoint Regulation(p = 2.51E-7)といった細胞周期に関わるパスウェイ
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