方 法配 列 情 報 を 得 た。FASTQ フ ァ イ ル よ り CLC Genomics Workbench(Qiagen 社)を用いて、2 塩基ミスマッチまで許容して miRBase21 のリファレンスにマッピングした。mRNA-seq の解析と同様に、Rソフトウェアを用いて、ヒートマップ解析でデータを可視化し、ボルケーノプロットを用いて、発現変動マイクロ RNA を抽出した。In vitro における機能解析 NGS 解析およびパスウェイ解析により同定された因子について、細胞株を用いて機能解析を行った。平 滑 筋 肉 腫 由 来 の 3 種 類 の 細 胞 株(SK-UT-1、SK-LMS-1、SKN)を実験に用いた。まず、96-wellプレートに細胞を播種し、各阻害剤を添加して72 時間培養し、CellTiter-Glo 2.0 Cell Viability Assay(Promega)にて生細胞率を測定した。細胞周期解析は、6-well プレートにおいて各阻害剤で24 時間培養し、ReadiDrop Propidium Iodide(Bio-Rad Laboratories)とフローサイトメーターで細胞周期解析を行った。 また、miR-10b-5p の機能解析として、96-wellプレートに細胞を播種し、miR-10b-5p mimic もしくは Negative control(NC)mimic をトランスフェクションして、24 時間、48 時間、72 時間培養した。CellTiter-Glo 2.0 Cell Viability Assay(Promega)にて生細胞率を測定した。さらに、コロニー形成能の評価のため、miR-10b-5p mimic もしくは Negative Control(NC)mimic をトランスフェクションしたSK-LMS-1 細胞を 6-well プレートに播種し、6 日間培養した。クリスタルバイオレットで染色し、コロニー数をカウントした。動物実験 4 週齢のメスの Balb/c ヌードマウスを実験に用いた。3.0 × 106 個の SK-UT-1 細胞を皮下移植して、モデルマウスを作製した。2 週間後より新規治療薬の投与を開始した。PLK1 阻害剤であるBI-2536(20 mg/kg)もしくは生理食塩液を週 2 回計 8 回腹腔内投与した。もしくは、CHEK1 阻害剤で(Qiagen 社)を用いて、RNA を抽出した。RNA-seq(ver.1.18.0)を用いて、データを統合した。ヒート(ver.1.30.0)を用いて算出した。そして、発現変動子宮平滑筋肉腫に対するマルチオミクス解析による新たな治療標的の探索バイオバンクに保管されている ULMS の希少な臨床検体を利用して、RNA シーケンス(RNA-seq)とマイクロ RNA シーケンス(マイクロ RNA-seq)による病態解明を通して、新たな治療標的を同定することを目的としている。臨床検体 2011 年から 2020 年の期間に、国立がん研究センターにて手術を行い、同バイオバンクに保管されている ULMS 全 6 例を対象とした。比較対照として、同時期に子宮肉腫が疑われ手術が施行されたが、病理診断にて良性の子宮筋腫(myoma)と診断された 3 例を抽出した。なお、本研究は、国立がん研究センターの倫理委員会の承認を得ており(No. 2020-160)、すべての症例より書面によるインフォームドコンセントが得られている。次世代シーケンス解析 対象症例の新鮮凍結組織より miRNeasy Mini Kit は、ライブラリー調整およびシーケンスを Azenta社に委託し、DNBSEQ-G400(MGI Tech 社)のシーケンサーで配列情報を得た。FASTQ ファイルより Kallisto ソフトウェアを用いて、遺伝子発現を定量し、R ソフトウェアの tximport パッケージマップは、gplots パッケージ(ver.3.1.0)を用いて作成した。発現変動遺伝子の抽出に関して、log2 Fold Change と補正 p 値は、DEseq2 パッケージ遺伝子に対しては、IPA ソフトウェア(Qiagen 社)を用いてパスウェイ解析を行った。 マイクロ RNA-seq は、NEBNext Multiplex Small RNA Library Prep Set for Illumina(New England Biolabs 社)を用いてライブラリー調整を行い、電気泳動にてマイクロ RNA に相当する長さの cDNAを抽出し、MiSeq(Illumina 社)のシーケンサーで43
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