臨床薬理の進歩 No.45
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ISA6727 (40.3%)60 (40–85)65 (42–88)30 (44.8%)12 (17.9%)18 (26.9%)表1 各群の臨床的背景及び免疫組織染色の結果多系統萎縮症遺伝性失調症3018 (60.0%)58 (41–70)64 (43–82)12 (60.0%)55 (2–81)58 (36–82)3 (10.0%)1 (3.3%)2 (6.7%)健常者201813 (72.2%)34 (14–71)0 (0%)0 (0%)0 (0%)1 (5.6%)0 (0%)1 (5.6%)患者数年齢、性別 女性 発症年齢 中央値(範囲) サンプル採取時年齢 中央値(範囲)免疫組織染色 抗小脳抗体陽性例 (%)** neuropil pattern (%)* intracellular antibody (%)*ISA; idiopathic sporadic ataxia** p < 0.001、*p < 0.05 (Fisher’s exact test) あり neuropil pattern で有意に少ないという結果であった(p = 0.041)。 そのほかの臨床所見(体幹失調、四肢の失調、構音障害、眼球運動障害、サンプル採取時の重症度、サンプル採取時の罹病期間、脳脊髄液検査所見)、画像所見(頭部 MRI での小脳萎縮、脳血流シンチグラフィでの小脳の血流低下)、治療内容には 3 群間での有意差は認められなかった(表 2)。抗小脳抗体陽性 ISA では治療反応性が期待できる 臨床情報から、8 例の抗小脳抗体陽性 ISA(neuropil pattern 4 例、intracellular pattern 4 例)に対して、免疫療法(ステロイドパルス療法 5 例、免疫グロブリン大量静注療法 1 例、ステロイドパルス療法及び免疫グロブリン大量静注療法の併用 2 例)が施行されていた(表 3)。さらに、neuropil pattern 2 例、intracellular pattern 2 例の合計 4 例において、modified Rankin Scale において 1 以上の改善が認められた。治療に伴う有害事象は特に報告されなかった。156(10%)、0/20(0%)、1/18(5.6%)であり、ISA群は他群よりも有意に高かった(p < 0.001)。また、neuropil pattern を示す割合は、12/67(17.9%)、1/30(3.3%)(p < 0.05)、intracellular pattern を示す割合は、18/67 (26.9%)、2/30 (6.7%)、0/20 (0%)、1/18 (5.6%)であり(p < 0.05)、いずれもISA 群は他群よりも有意に高かった(表 1)。neuropil pattern を示す ISA は純粋小脳失調症を呈する 抗小脳抗体が陽性である ISA の臨床的特徴を検討するために、免疫組織染色での結果から、ISA 患者を neuropil pattern、intracellular pattern、陰性群に分類して比較した。その結果、小脳外症候(錐体路徴候、末梢神経障害、認知機能障害)を伴う患者の割合は、それぞれ 2/12 (16.7%)、12/18(66.7%)、23/37(62.2%)であり、neuropil pattern 群では小脳外 症 候 を 伴 う 患 者 が 有 意 に 少 な か っ た(p = 0.013)。錐体路徴候、末梢神経障害、認知機能障害のそれぞれに分けて検討すると、錐体路徴候では1/12(8.3%)、8/18(44.4%)、18/37(48.6%)で

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