低←シグナル強度→高低←シグナル強度→高B 細胞膜画分B 細胞膜画分A 細胞外小胞A 細胞外小胞-d5 の BeWo 細胞内への取り込みは、LAT1/LAT2acid (BCH)で有意に阻害された。蛍光標識したJEG-3 細胞に共通して発現するタンパク質 2,314分子を見出し、その中からトランスポーターを 112分子同定した。大型中性アミノ酸トランスポーターLAT1/SLC7A5 やモノカルボン酸トランスポーターMCT4/SLC16A1 を含めた 62 種類のトランスポーターについては、JEG-3 細胞と BeWo 細胞において 2 倍以内の発現レベルであった。BeWo 細胞において、JEG-3 細胞と比較して 2 倍以上の発現レベルを示した分子を 43 種類同定し、その中には、薬物排出トランスポーター BCRP/ABCG2 やグルコーストランスポーター GLUT1/SLC2A1 が含まれていた。以上の結果から、2 種類のヒト胎盤関門モデル細胞におけるトランスポーター分子群の発現プロファイルと発現レベルの違いが初めて明らかになった。BeWo 細胞における輸送機能評価 大型中性アミノ酸トランスポーター(LAT1/SLC7A5 及び LAT2/SLC7A8)の基質である L-トリプトファンを重水素化した L- トリプトファンの阻害剤である 2-amino-2-norbornanecarboxylic BeWo 細胞由来細胞外小胞の BeWo 細胞内への図 4 BeWo 細胞の細胞外小胞(A)と細胞膜画分(B)におけるトランスポータータンパク質の発現プロファイル表中の分子名は、同定された分子を示す。各セルの色の濃淡は、相対的な発現レベルを示す。胎盤分泌エクソソームの輸送体発現情報に基づく胎盤関門薬物輸送機能予測法の基盤構築取り込みは、Mfsd2a の siRNA ノックダウンによって有意に低下した。Zinc mesoporphyrin IX(ZnMP)のBeWo 細胞内への取込みは、時間依存的に増加しMfsd7c の siRNA ノックダウンによって有意に低下した。以上の結果から、BeWo 細胞に発現する輸送体タンパク質(LAT1/LAT2、Mfsd2a 及びMfsd7c)による輸送機能が示された。輸送体タンパク質の標的絶対定量プロテオミクス(qTAP):ヒト脳微小血管におけるタンパク質発現アトラスの構築 輸送体タンパク質 14 分子(EAAT1/SLC1A3、GLUT1/SLC2A1、4F2hc/SLC3A2、CAT1/SLC7A1、BGT1/SLC6A12、MCT1/SLC16A1、R F C1/ S L C19A1、M D R1/ A B C B1、B C R P /ABCG2、MRP4/ABCC4、CD144/CDH5、CD147/BSG、Na+/K+-ATPase、TfR1/TFRC)について、標的絶対定量プロテオミクス(qTAP)に基づいて絶対定量系を構築し、単離ヒト脳微小血管(2 例)における絶対発現量を算出した(図 5)。14 分子のうち、MRP4/ABCC4 の発現量が 0.12 fmol/µg protein と最も低く、GLUT1/SLC2A1 の発現量が 61.9-95.2 fmol/µg protein と最も高かった。単離ヒト脳微小血管(2 例)間における輸送体タンパク質発現量137137
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