臨床薬理の進歩 No.45
149/222

)%( ytisnetnISize (nm)①300 x g, 10 min, 4 oC②2,000 x g, 20 min, 4 oC③10,000 x g, 30 min, 4 oC④100,000 x g, 70 min, 4 oC⑤Filtration with 0.22 µm filter⑥100,000 x g, 70 min, 4 oC遠心法細胞外小胞方  法図 3 ヒト BeWo 細胞及びマウス血漿からの細胞外小胞の単離方法及び性状解析ゼータサイザーによる粒子径の解析胎盤分泌エクソソームの輸送体発現情報に基づく胎盤関門薬物輸送機能予測法の基盤構築18 日目)の血漿からサイズ排除クロマトグラフィー(qEV カラム、メイワフォーシス社)によって精製した。BeWo 細胞及びマウス血漿から回収した細胞外小胞の性状は、ゼータサイザーナノ ZS を用いて、動的散乱光法による粒子径及び粒度分布を解析するとともに、ゼータ電位を計測した。マウスを用いた実験は、徳島大学動物実験委員会の承認に基づき、動物実験等の実施に関する基本指針に従って実施した。網羅的プロテオミクス解析 BeWo 細胞、JEG-3 細胞、マウス胎盤組織又はマウス血漿から回収した細胞膜及び細胞外小胞の各画分をトリプシンで消化した後、液体クロマトグ ラ フ ィ ー を 連 結 し た 高 解 像 度 質 量 分 析 装 置(Orbitrap Fusion、Thermo Scientific 社)によって、Data Dependent Acquisition (DDA)モードによる網羅的な分子同定を行うとともに、ラベルフリー法による相対比較定量解析を行った。タンパク質の同定・比較定量は、Proteome Discoverer2.5 を用いた。BeWo 細胞における輸送機能評価 網羅的プロテオミクス解析から BeWo 細胞の細胞膜画分及びエクソソーム画分の両方で同定された輸送体分子の輸送機能を明らかにするため、基質の輸送活性を解析した。24 well プレート上に BeWoエクソソームをサロゲートマーカーとして用いた胎盤関門の薬物輸送機能予測法の基盤を構築することを目的とした。細胞膜画分及び細胞外小胞の精製 本研究では、ヒト in vitro 胎盤関門モデル細胞として世界的に汎用されている、ヒト胎盤由来妊娠性絨毛がん由来の 2 種類の細胞株(BeWo 細胞及びJEG-3 細胞)を用いた。各細胞を 10% FBS 含有Nutrient Mixture F-12 Ham を用いて、50-80% コンフルエントになるまで培養した。胎盤関門組織を模倣するために、forskolin を添加してさらに 48 時間培養し、細胞膜融合を誘導した。BeWo 細胞及びJEG-3 細胞からの細胞膜画分は、窒素キャビテーションを用いて細胞を破砕した後、スクロースを用いた密度勾配超遠心分離法を用いて精製した。マウス胎盤組織からの細胞膜画分の精製には、ホモジナイザーと窒素キャビテーションを用いて破砕したのち、スクロースによる密度勾配超遠心分離法を用いた。細胞外小胞の精製及び性状の解析方法を、図 3に示した。BeWo 細胞が分泌する細胞外小胞は、細胞を血清無添加の培地を用いて培養した後、培養上清から超遠心分離によって精製した。妊娠マウス血漿由来の細胞外小胞は、妊娠満期(妊娠BeWo細胞培養上清サイズ排除クロマトグラフィーマウス血漿135135

元のページ  ../index.html#149

このブックを見る