結 果薬剤曝露 受精後 4 日目の Tg ゼブラフィッシュ稚魚をベートした。また、6 mM イソニアジドに 10μM、 同時曝露し、24 時間インキュベートした。薬剤曝露含まない飼育水へ置換した状態で観察に用いた。 24 時間曝露した Tg ゼブラフィッシュ稚魚を 2-フェノキシエタノール(500 ppm)で麻酔し、スライドガラス上にメチルセルロースを用いて固定した。その後、倒立蛍光顕微鏡を用いて、Wideフィルターター(Ex/Em 460-480/505-530 nm)を用いてゼブラフィッシュ肝臓を観察した。画像解析には、Fiji を用いて蛍光強度を定量化した。肝アポトーシスの定量式は、Narrow / Wide により算出した。qPCR イソニアジドおよびランソプラゾールを曝露させたゼブラフィッシュ(受精後 5 日目)から Total RNA を抽出し、qPCR を行った。Elongation factor 状態を確認するために、各種プライマーを用いてqPCR を行い、特定の遺伝子を増幅した(ABI 60 ℃ 15 秒、72 ℃ 45 秒を 1 サイクルとして、計40 サイクル)の条件で行った。臨床データを用いた検証 三重大学医学部附属病院の電子カルテを用いて解析した。対象患者は、2010 年 4 月から 2018 年4 月イスコチン®錠が処方された患者 367 名を対象とした。20 歳未満、処方前より腎機能、肝機能が低下した患者、またデータの欠落した患者は除外多層的アプローチを用いた薬剤性肝障害に対する新規保護薬の探索した 256 名を解析対象とした。評価項目は、ランソプラゾール併用群と非併用群の 2 群間比較を行い、イソニアジド投与前後における肝機能値を比較し、評価した。なお、本研究は三重大学医学部附属病院医 学 系 倫 理 審 査 委 員 会 の 承 認 を 受 け 実 施 し た(No.3154)。統計解析 mRNA の発現レベルの比較には、Tukey’s test を用いた。また、2 群間比較には Figher’s Exact testあるいは Mann-Whitney 検定を用いて、有意水準はp<0.05 とした。すべての統計解析には、GraphPad prism ver.9.0 を使用して解析した。イソニアジド誘発性肝障害に対する新規保護薬の同定 GEO を用いた解析より、GSE55489(BUBBnJマウス)と GSE55489(LGJ マウス)の 2 つのデータセットにおいて共通して発現が増加する遺伝子数が 21 種類、発現が低下する遺伝子数が29 種類同定された(図 2)。これらの同定された遺伝子をイソニアジド誘発性肝障害のシグネチャーとした。次に Connectivity map を用いてこれらのシグネチャーに対して逆向きの変化を与える化合物を 363 種類同定した。さらに、FAERS による解析によって、同定した 363 種類の化合物の中から、イソニアジド誘発性肝障害のオッズ比を低下させる薬物を解析した。その結果、28 種類の薬物が統計的に有意に同定された。Connectivity map で同定された363 種類の化合物と FAERS で同定された 28 種類の薬物の中で共通する薬物を同定したところ、プロトンポンプ阻害薬であるランソプラゾール、副腎皮質ステロイドであるデキサメタゾン、葉酸拮抗薬であるメトトレキサートが同定された。これらの中で、臨床上安全性が高く、汎用性の高いランソプラゾールを本研究では候補薬とし、検証に用いた。6 mM イソニアジドを含む飼育水で 24 時間インキュ50μM ランソプラゾールを含む飼育水にそれぞれ24 時間後に、薬物を含まない飼育水で Washし、何も蛍 光 顕 微 鏡 を 用 い た ゼ ブ ラ フ ィ ッ シ ュ 肝 臓 のin vivo イメージングによる検証(Ex/Em 460-480/567-647 nm)と Narrow フィル1a(ef1a)をコントロールとし、NF-E2-related factor 2(Nrf2)および Interleukin-6(IL-6)の遺伝子発現prism 7300 PCR system)。PCR 反応(95 ℃ 15 秒、119119
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