臨床薬理の進歩 No.45
129/222

謝  辞利益相反患者由来腫瘍移植マウスモデルを用いた婦人科希少がんである中腎様癌の個別化医療開発vitro での薬剤感受性試験、in vivo でのマウス実験による個別化医療開発に繋がるプラットフォームを作成した。今回の研究結果をもとに、我々は大阪大学産婦人科関連病院の 29 病院と協力して婦人科希少がんバンクを樹立し、現在の標準治療では難渋する悪性腫瘍に対して有効な治療法の開発を目指している。 本研究を遂行するにあたり、研究助成を賜りました公益財団法人臨床研究薬理振興財団に心より感謝申し上げます。 本研究に関し、開示すべき利益相反はありません。in vitro での薬剤感受性試験について今後さらなるが早いものでも移植後 2-3 か月の時間がかかるため、化学療法抵抗性の患者さんの臨床において即座に有効な薬剤を同定することが難しい点である。この点において、同じ性質・特徴を持つ希少がんの PDX バンクを多く保持しこれらを利用することで、出来るだけ早く実臨床へ役立つ情報を届けられる可能性がある。3 つ目は PDX マウスや改良法の開発が望まれる点である。本研究のように免疫不全マウスを用いた研究では近年臨床において急速に広まっている免疫チェックポイント阻害剤の有効性の評価は難しい。In vitro での薬剤感受性試験も、真にどのような方法が、より効率的にヒトでの抗腫瘍効果と相関するかを今後研究を重ねる必要がある。 本研究では婦人科希少がんである MLA の PDXマウスモデルを樹立し、PDX 腫瘍を利用した in 115

元のページ  ../index.html#129

このブックを見る