臨床薬理の進歩 No.43
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4oboR))((結  果Robo4過剰発現がマウスの敗血症病態に与える影響の解析 Robo4発現の促進が敗血症病態に与える影響を確認するため、タモキシフェン投与により血管内皮細胞特異的にRobo4過剰発現を誘導できるマウスを作製した。まず、CAGプロモーター下流に、loxP配列に挟まれたstopコドンとマウスRobo4 cDNA配列を持つマウスを作製した。次に得られたマウスを、血管内皮細胞特異的にCre/ERT2を発現する(CDH5-Cre/ERT2)マウス9)と掛け合わせ、目的のマウス(Robo4iECマウス)を取得した(図1A)。得られたRobo4iECマウスにタモキシフェンを投与したところ、全身の臓器でRobo4 mRNAの発現増加が確認され、マウスが良好に樹立できたことが確認できた(図1B)。 次に、Robo4の過剰発現が敗血症病態に与える影響を解析するため、タモキシフェンを投与した図1 Robo4過剰発現マウスの作製とLPS投与モデルを用いた解析(A)Robo4iECマウスのトランスジーンとジェノタイピング結果 (B)タモキシフェンを投与したRobo4iECマウスの各臓器におけるRobo4 mRNAの発現量(n=5, mean±SEM、*p<0.05、**p<0.01 by Student's t-test) (C)タモキシフェンを投与したRobo4iECマウスとコントロールマウス(CDH5-Cre/ERT2マウス)にLPSを投与した時の生存時間の解析(Control: n=18、Robo4iEC: n=17、p=0.017 by log-rank test)Robo4iECマウスとコントロールマウス(CDH5-Cre/ERT2マウス)にLPSを腹腔投与し生存率を解析した(図1C)。その結果、コントロールマウスは12% (2/17)、Robo4iECマウスは56% (10/18)が生存していた。この結果から、血管内皮細胞へのRobo4発現の促進が敗血症病態を緩和することが示された。Robo4発現を制御する新規メカニズムの探索 Robo4過剰発現マウスの検討から、Robo4発現促進分子が敗血症治療薬となる可能性が示された。そこで、Robo4発現促進分子の開発に向け、まずRobo4発現を制御するシグナル伝達系を同定するために、今回はtransforming growth factor-β (TGF-β)-SMADシグナルに着目し解析を行った。TGF-βファミリーに属するbone morphogenetic protein 9(BMP9)をヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)に処理すると、Robo4の発現が強く抑制された。また、このRobo4発現の抑制は、BMP9血管透過性を標的とする新しい抗炎症薬の開発(bp)800700500400p=0.017p=0.017p=0.017**********7171CDH5 promoterloxPCAG promoterCre/ERT2loxPstopmRobo4ControlTamoxifen%%CDH5-Cre/ERT2 (720 bp)stopflox-Robo4 (413 bp)(h)BC*A

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