臨床薬理の進歩 No.43
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Displaying network 1 of 1p-value: 0.027Number of edges: 15Number of nodes: 13Click on a node or edge...表1 デモグラフィックデータ統合失調症(N=46)双極性障害(N=36)大うつ病性障害(N=79)自閉スペクトラム症(N=12)健康成人(N=63)F/χ2値p値年齢(標準偏差)29.9(9.6)性別(男性/女性)25/21図1 大うつ病性障害群において健康成人群と比して増加していた脳機能的接続主に視床をノードとするエッジ(脳機能的接続)において、増加が認められる。相関係数を計算し、全脳領域をカバーする相関係数行列を作成した。臨床情報 統合失調症の患者は陽性・陰性症状評価尺度(Positive and Negative Syndrome Scale; PANSS)により、大うつ病性障害の患者はGRIDハミルトンうつ病評価尺度(Hamilton Depression Rating Scale)17項目版(GRID-HAMD-17)により、臨床症状を評価された。また、統合失調症の患者については抗精神病薬1日投与量(クロルプロマジン換算)を、大うつ病性障害の患者については抗うつ薬1日投与量(イミプラミン換算)に関する情報を、それぞれ収集した。なおAndreasenらの基準6)に基づき、PANSSスコアを用いて、統合失調症群を寛解群と非寛解群に2分した。またFrankらの基準7)に基づき、GRID-HAMD-17スコアを用いて、うつ病群を寛解群と非寛解群に2分した。35.6(12.4)38.4(11.7)20/16統計解析 基本的な統計処理については、SPSSソフトウェア(バージョン27)を用いて施行し、有意水準はp < 0.05とした。また、脳領域間機能的接続の行列に対しては、MATLABのNetwork Based Statistic(NBS)を用いて、クラスターベースの順列技術と接続要素のグラフ理論概念との組み合わせにより、脳グラフの統計的推計を実行した。なお、5000回の順列テストで、有意水準はp < 0.05とし、クラスター定義閾値は3.1に設定した。 はじめに予備解析として、各疾患群と健康成人群の脳機能的接続の差異を調べた(年齢、性別で調整)。次に本解析として、統合失調症群における抗精神病薬投与量と脳機能的接続との関連、大うつ病性障害群における抗うつ薬投与量と脳機能的接続との関連を、それぞれ調べた(年齢、性別で調整)。さらに、それぞれの疾患群を寛解群と非寛解群に2分し、各群における薬剤投与量と脳機能的33.3(10.8)45/347/529.9(9.6)5.9 1.6E-046.1 1.9E-0124/392727

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