臨床薬理の進歩 No.43
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表1 患者背景年齢(中央値、範囲)性別PS部位浸潤臓器cN因子cM因子cStageCRT: chemoradiotherapy, DCF: Docetxel/Cisplatin/5-FU chemotherapy, PS: Performance StatusA群(CRT先行)(n=49)65 (43-79)45 (92%)4 (8%)37 (75%)12 (25%)17 (35%)31 (63%)1 (2%)40 (82%)4 (8%)5 (10%)35 (72%)14 (28%)38 (77%)11 (23%)38 (77%)11 (23%)B群(DCF先行)(n=50)67.5 (50-76)41 (82%)9 (18%)40 (80%)10 (20%)20 (40%)27 (54%)3 (6%)43 (86%)3 (6%)4 (8%)34 (68%)16 (32%)42 (84%)8 (16%)42 (84%)8 (16%)は食道原発巣、転移リンパ節、予防照射領域とした。予防照射領域は、頚部~縦隔リンパ節の部位と設定した。同時併用の化学療法は5-FU/シスプラチンとし、5FU(1,000 mg/m2、day1-4、day29-33)とシスプラチン(75 mg/m2、day1、day29)を投与した。DCF化学療法のレジメンは、ドセタキセル(70 mg/m2、day1)、シスプラチン(70 mg/m2、day1)、5-FU(700 mg/m2、day1-5)とし、3週毎に2サイクル投与とした。初期治療が完了し、T4bが解除されてかつ遠隔転移が新たに出現していないことを確認されれば、CSを実施することとした。CSは導入療法終了後、8週以内に行うこととした。初期治療後にT4bが解除されていなければ、治療内容を交替させて、2次的な治療としてA群ならDCF療法を、B群なら化学放射線療法を実施し、その後T4bが解除されれば、CSを実施することとした。評価方法 化学療法や化学放射線療法の有害反応は、CTCAE version4.0を用いて評価した。手術後合併症は、Clavien-Dindo分類を用いて評価した。男性女性01胸部上部胸部中部胸部下部気管/気管支大動脈両方cN0-1cN2-3cM0cM1 リンパ節ⅣaⅣb本試験では、Grade2以上を術後合併症として評価した。食道原発巣の病理学的な治療効果は、日本食道学会の取扱い規約に従って下記の通り評価した。Grade 0: 治療に対する効果なし、grade 1a: 2/3以上の腫瘍残存、grade 1b: 2/3以下の腫瘍残存、grade 2: 少量の腫瘍細胞のみ残存、grade 3: 完全な腫瘍消失とした。エンドポイントの設定 主要評価項目は、2年生存率とした。副次的な評価項目は、有害反応、導入療法の治療効果、術後合併症、治癒切除率、病理学的な治療効果、無病生存期間、全生存期間とした。統計解析の根拠 過去の報告から化学放射線療法で開始するA群の2年生存率を15%とし、DCF療法で開始するB群の2年生存率の上乗せが20%あると仮定して35%になるとした。探索的有意水準20%、両側アルファ誤差0.1、ドロップアウト率10%で80%の検出力の場合、当初は合計100例の患者を登録1111

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