臨床薬理の進歩 No.43
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はじめにロンドンでの生活について(2019年4月~2020年9月)久保田 香菜KUBOTA KANA写真1 ケンジントン公園PROFILE2009年 山形大学医学部医学科卒業2009年 自治医科大学附属病院(初期研修)2012年 自治医科大学内科学講座循環器内科部門 入局 私は2019年4月から英国Royal Brompton Hospitalの成人先天性心疾患(ACHD; Adult congenital heart disease)センターでの貴重な臨床留学の機会をいただきました。当初は2021年3月までの2年間を予定していましたが、予期せぬCovid-19の世界的な大流行の影響で2020年3月に急遽帰国しました。同年9月まで日本からテレワークで研究を継続しましたが、世界情勢から再渡英は断念せざるを得ませんでした。今回は英国ロンドンでの生活・研究、および帰国後に国内留学を受け入れてくださいました東京女子医科大学病院循環器小児科での研究についても触れながら、ご報告致します。 私は小さい頃からシャーロック・ホームズの探偵譚や、アガサ・クリスティの小説に親しんできたため、英国にはとても強い憧れがありました。英国はエリザベス2世女王が治める連合王国で、ブリテン島は日本の国土の2/3ほどの大きさです。しかし人口は日本の約半分の6000万人ほどで、そのうち1000万人近くが南部のロンドン周辺に集中しています。ロンドンは移民が占める割合自治医科大学内科学講座循環器内科部門2016年 東京大学医学部附属病院 循環器内科 特任臨床医(国内留学)2019年 Clinical fellow : Royal Brompton Hospitalも多く、世界有数のコスモポリタンですが、私が滞在しているときはちょうどEU離脱問題で世論が真っ二つに割れている騒動の最中でした。 Royal Brompton Hospital(RBH)は1840年代に創立された由緒ある王立病院の一つで、ロンドンの中心地に近いチェルシー地区にあります。最寄り駅は地下鉄ピカデリー線のサウスケンジントン駅で、病院から徒歩圏内に、ウィリアム王子ご家族がお住まいのケンジントン公園(写真1)や、ヴィクトリア女王の夫の名を冠した演劇場・ロイヤルアルバートホールがあり、各国の大使館も集まる閑静な高級住宅街の一角に位置していました。建物自体も大変古いもので、外来棟177Royal Brompton Hospital留学報告書

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