臨床薬理の進歩 No.43
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llrebmun(**037eC)401×*(Days)図1 IDH2遺伝子変異TF-1細胞の細胞増殖データは平均±標準偏差で示す(n=3)。2群間の比較はt検定で行った。*p<0.05。IDH2WT, IDH2野生株; IDH2mut, IDH2変異株; mIDH2i, 変異型IDH2阻害剤200150100501410図2 IDH2遺伝子変異TF-1細胞のメタボローム解析右図のドットの大きさはEnrichment Ratioを表す。IDH2 WTIDH2 mutIDH2 mut+mIDH2iを示すことが明らかとなった(図2)。IDH野生株と変異型IDH2阻害剤処理後のIDH2変異株の2群間で違いがみられる代謝経路を同定するためオンライン解析ツールであるMetaboAnalyst8)を用いてMetabolite Sets Enrichment Analysis (MSEA)11)を行ったところ、IDH2の属するTCA回路に次いでイノシトールリン酸(IP)代謝経路に有意差が認められることが明らかとなった(図2)。 また、同時に行ったIDH2変異株を用いた代謝阻害剤の薬剤スクリーニングによって細胞増殖を薬剤耐性を示していると考えられた(図1)。IDH2変異AML細胞におけるホスホリパーゼC活性の低下 この薬剤耐性メカニズムを明らかにするためメタボローム解析を行い、IDH野生株、IDH2変異株および変異型IDH2阻害剤で処理したIDH2変異株の3群を比較した。主成分分析では3群が明らかに分離し、変異型IDH2阻害剤処理後のIDH2変異株はIDH野生株とは明らかに異なる代謝プロファイル126Metabolite Sets Enrichment Analysis (MSEA)IDH2 WT DMSO IDH2mut mIDH2ivsTCA cycleIP metabolism主成分分析(PCA)IDH2 WT DMSOIDH2 mutDMSOIDH2 mutmIDH2i

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