臨床薬理の進歩 No.43
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Primary/MetastaticPrimary#1Lymph node#2Primary#3#4Primary#5Primary#6Primary#7Primary#8PrimaryPrimary#9#10Primary#11Primary#12Primary#13Primary#14Primary#15Primary#16PrimaryPathogenic diagnosisGeneration of PDX (passage number)G4G5G5G6G6G5G6G7G6G6G6G6G7G3G3G3Moderately differentiateid tubular adenocarcinoma Poorly differentiateid tubular adenocarcinoma Moderately differentiateid tubular adenocarcinoma Well-differentiateid tubular adenocarcinomaPoorly differentiateid tubular adenocarcinoma Adenosquamous cancerModerately differentiateid tubular adenocarcinomaModerately differentiateid tubular adenocarcinoma Well-differentiateid tubular adenocarcinomaPoorly differentiateid tubular adenocarcinoma Anaplastic cancerPoorly differentiateid tubular adenocarcinoma Undifferentiated tubular adenocarcinomaModerately differentiateid tubular adenocarcinoma Moderately differentiateid tubular adenocarcinoma Well-differentiateid tubular adenocarcinoma図5 作製した膵臓がんPDXモデルの特徴結  果膵臓がん患者の腫瘍組織に発現しているかを確認するために、膵臓がん患者90人の腫瘍組織検体を用いて免疫染色解析を行った。新規同定分子に対する抗体を用いて腫瘍組織検体を免疫染色し、その発現と患者の予後との相関関係を解析した(倫理申請番号2611、神奈川県立がんセンター及び昭和大学の倫理審査委員会)。新規同定分子の腫瘍細胞上に特異的な糖鎖及びそれを認識するレクチンの同定 膵臓がん患者90人の腫瘍組織検体の内、腫瘍細胞と正常細胞の両方に新規同定分子の発現を認めた組織検体を使用し、新規同定抗原タンパクを認識する抗体と、糖鎖を認識するレクチンとを用いた二重免疫染色解析を行った。また、共焦点レーザー顕微鏡を使用して、新規同定抗原タンパクとレクチンが認識する糖鎖との関係を3次元的に解析し、標的抗原タンパク上の糖鎖について解析した。統計解析 統計的有意性の分析はJMP Pro 14.0 (SAS Institute Inc.)を用いて施行した。分子発現ステータスと様々な臨床病理学的特徴との関連性は、Student's t-tests又はPearsonのカイ二乗検定を用いて評価した。OSやPFSの解析では、Kaplan-Meier解析とlog-rank検定を適用した。単変量解析及び多変量解析は、Cox比例ハザード回帰モデルに基づいて行った。検定はすべて両側検定とし、p値が0.05未満の結果は、統計的に有意な差があると判断した。膵臓がんにおける抗がん剤耐性及び予後不良分子の同定1) 我々は独自の膵臓がんPDX モデルを計16系統作製した(図5)。移植した腫瘍が患者の腫瘍病理形態及び遺伝子異常に一致していることを確認した(図6)。2) 次に作製した膵臓がんPDXモデルに対して抗がん剤(ゲムシタビン単剤又はゲムシタビン+ナブパクリタキセル)を投与し、治療群と無治療群の腫瘍組織を採取して腫瘍細胞からDNA/RNAを抽出し、次世代シーケンサーで解析して、治療群で有意に発現の高い遺伝子を3個同定した(図7)。同定したそれぞれの遺伝子の強制101

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