臨床薬理の進歩 No.43
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方  法NSGマウス(6-12週齢) 患者さんから提供された手術検体皮下移植腫瘍組織採取図4 抗がん剤耐性分子の解析移植針移植後のNSGマウス次世代シーケンサー移植後は1週間に一度、腫瘍径の測定図3 膵臓がん患者由来腫瘍移植モデル(Patient-Derived Xenograft : PDX model)の作製膵臓がん PDX モデルにおける抗がん剤治療 作製した膵臓がん PDX モデルに、膵臓がんに対する抗がん剤であるゲムシタビン単剤又はゲムシタビン+ナブパクリタキセルを投与した。次に抗がん剤治療群と無治療群とに分けて腫瘍組織を採取した。採取した腫瘍組織から腫瘍細胞を分離し、DNA/RNA を抽出して次世代シーケンサーにて解析した(図 4)。膵臓がん患者腫瘍組織検体を用いた免疫染色及び患者予後との相関関係解析 次世代シーケンサー解析にて治療群に特異的に発現の高い遺伝子(新規同定遺伝子)を抽出し、その遺伝子由来のタンパク発現(新規同定分子)が、100膵 臓 が ん 患 者 由 来 腫 瘍 移 植 モ デ ル(Patient-Derived Xenograft: PDX model)の作製 手術適応のある膵臓がん患者より腫瘍組織の一部を採取し、6-12 週齢の超免疫不全マウス(NSGマウス)の背部に皮下移植して、膵臓がん患者由来腫瘍移植モデルを作製した(倫理申請番号 28 研-48、動物実験申請番号 30A022、神奈川県立がんセンター及び昭和大学の倫理審査委員会、図 3)。移植したマウスから同系統のマウスへ腫瘍の移植を繰り返すことで継代し、3 継代したマウスの移植腫瘍病変を採取した。採取した腫瘍病変の HE 染色及び HLA 免疫染色検査を行い、さらに遺伝子変異解析を行った。DNA/RNA extraction無治療群治療群(抗がん剤)

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