臨床薬理の進歩 No.42
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%00)lortnoc ( sllec gnivivruS(b) Hepa-6(a) HuH-710080604020day0day1day2day3day410080604020day0day1day2day3day4結  果ヒト肝細胞癌由来培養細胞株(HuH-7)とマウス肝癌由来培養細胞株(Hepa1-6)に対するT-mfIL12およびT-B7-1の細胞障害性と複製能の評価(in vitro) HuH-7とHepa1-6に対して、T-mfIL12および T-B7-1の抗腫瘍効果と複製能の確認を行った。T-mfIL12およびT-B7-1の殺細胞効果はMOI: 0.01ならびに0.1において、T-01と同等の効果を有した(図3)。またMOI: 0.01における低濃度のウイルス感染後に48時間経過した、T-mfIL12およびT-B7-1のウイルス複製能に関してもT-01と同等であった(図4)。新たな機能付加によるin vitroでのウイルスの殺細胞効果および複製能への影響は認めなかった。同種両側側腹部皮下移植腫瘍モデルにおける、T-mfIL12およびT-B7-1の直接治療効果ならびに非接種部位に対する特異的抗腫瘍免疫効果の検討(in vivo) ウイルスの「武装化」による抗腫瘍免疫を介した抗腫瘍効果の増強をin vivoにおいて確認した。マウス肝癌Hepa1-6による両側側腹部皮下移植腫瘍モデル(C57BL/6マウス)において、T-mfIL12およびT-B7-1(2×105 pfu/回)の接種部位に図3 HuH-7とHepa1-6に対するT-mfIL12およびT-B7-1の細胞障害性の検討(in vitro)培養細胞株にウイルス(●T-01(MOI: 0.1)、○T-01(MOI: 0.01)、■T-mfIL12(MOI: 0.1)、□T-mfIL12(MOI: 0.01)、▲T-B7-1(MOI: 0.1)、△T-B7-1(MOI: 0.01))を初期感染した後、4日間培養した。細胞数を各日計数し、mockに対する割合として生存率を表した(n = 3、mean ± SEM)。対する直接治療効果ならびに非接種部位に対する特異的抗腫瘍免疫効果の検討を行った。ウイルス接種側の皮下腫瘍では、T-01、T-B7-1およびT-mIL12群はmock群に対して有意に腫瘍縮小効果を認め腫瘍が消退した(図5a)。またウイルス非接種側では、mockならびにT-01群に対して、T-B7-1およびT-mIL12群は有意に腫瘍縮小効果を認め、ほぼ腫瘍が消退した(図5b)。 投与後28日目に両側皮下腫瘍が消退したT-mIL12およびT-B7-1群のマウス(各群n = 10)に対し、再度Hepa1-6(5.0×106 個)を背部皮下に移植し、30日経過観察を行った(Rechallenge assay、対照群は同週齢の同マウス(n = 10))。再移植後30日の時点で腫瘍の生着は対照群6/10匹に対して、T-B7-1およびT-mIL12群は各群0/10匹であり有意に生着が阻害された(各群ともp = 0.005)。T-mIL12およびT-B7-1接種後の特異的抗腫瘍免疫効果によって抗腫瘍免疫が惹起されたことで、皮下腫瘍の生着が阻害されたと考えられた。ヒト肝細胞癌由来培養細胞株(HuH-7およびPLC/PRF/5)に対する、sorafenib併用下におけるT-01の細胞障害性と複製能の評価(in vitro) 肝細胞癌に対する更なる治療効果の向上を考え、sorafenib(Bayer AG、Germany)とウイルスの14

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