臨床薬理の進歩 No.42
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表1 ニボルマブ(Nivo)およびペムブロリズマブ(Pembro)投与患者の背景Abbreviations: ECOG, Eastern Cooperative Oncology Group; MEL, melanoma; MPM, malignant pleural mesothelioma; NSCLC, non-small cell lung cancer; RCC, renal cell carcinoma; SCCHN, squamous cell carcinoma of the head and neck.* Includes 2 in combo with chemotherapy. Includes 2 in combo with ipilimumab.結  果ADA評価 ニボルマブおよびペムブロリズマブに対するADAは、2019年米国FDA発出の「治療用タンパク製品の免疫原性試験のアッセイに関する最終ガイダンス」を参考にして、酸解離ブリッジングELISAによって評価した(図1B)。ADA陽性は、スクリーニング後の確認試験の結果に基づき陽性と確定した。それぞれのカットポイント(CP: cut-point)は、市販の健康成人ドナーの個別血漿(50名)を用いて下記の通り決定した。 スクリーニングCP = 平均値 + 1.645 × 標準偏差 確認試験CP = 平均値 + 2.33 × 標準偏差 なお、ニボルマブおよびペムブロリズマブに対する市販のウサギ由来ポリクロナール抗体をADAのポジティブコントロールとして用いた。有効性および安全性の評価 有効性のエンドポイントとして、無増悪生存期間と無再発生存期間を含めた複合エンドポイント(PRFS: progression-free and recurrence-free survival)を用い、中央値をKaplan-Meier法によって推定した。治療効果判定にはRECIST 1.1を用いた。また、全ての有害事象は、NCI-CTCAE v4.03を用いて評価した。統計解析 対応のない2群間の平均値の比較には、unpaired t検定を用いた。2群間のPRFS曲線の比較には、log-rank検定を用いた。両側検定におけるp値が5%未満を統計学的に有意差ありと判定した。対象患者 本研究で対象とした147名の患者背景を表1に纏めている。ニボルマブ投与群(98名)の中に、イピリムマブ併用症例が4名(腎細胞がん2名、悪性黒色腫2名)含まれていた。また、ペムブロリズマブ投与群(49名)の中に、化学療法併用症例が2名(全て非小細胞肺がん)含まれていた。全患者のフォローアップ期間中央値は、6か月(0.1–38.7か月)であった。Median follow-up (range), month5.6 (0.1-38.7)6.5 (0.2-21.5)6.0 (0.1-38.7)143143

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