臨床薬理の進歩 No.42
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Spearmanの順位相関係数で評価した。有意水準はp < 0.05とした。研究2 血漿中CP-IとOATP1B1遺伝子多型の関連の評価対象 京都府立医科大学で全国多施設共同コホート研究(J-MICC Study)に参加した健康成人500名をランダムに選択し、BMIが30 kg/m2未満、推算糸球体濾過量(eGFR)が60 mL/min/1.73 m2以上、総ビリルビンが1.5 mg/dL未満、ALTが100 IU/L未満の391名を対象にした。蓄積されているゲノムワイド関連解析の結果から、OATP1B1*1a、OATP1B1*1b、OATP1B1*5およびOATP1B1*15の4つのハプロタイプを判定し、OATP1B1*1b/*1b群(n = 103)、OATP1B1*1a/*1b群(n = 122)、OATP1B1*1a/*1a群(n = 40)、OATP1B1*1b/*15群(n = 74)、OATP1B1*1a/*15群(n = 41)、OATP1B1*15/*15群(n = 11)の6グループに分類した。また、CP-Iの動態への関与が示唆されているmultidrug resistance-associated protein 2(MRP2)(rs717620; c.C-24T, 5’UTR)、OATP2B1(rs12422149; c.G935A, p.R312Q, exon 7)およびOATP1B3(rs4149117; c.T334G, p.S112A, exon 33およびrs7311358; c.G699A, p.M233I, exon 6)についても、その遺伝子多型の影響を評価した。なお、本研究は明治薬科大学の研究倫理委員会(承認番号:3023)および京都府立医科大学の医学倫理審査委員会(承認番号:ERB-C-1384)の承認を得て実施した。血漿中CP-IおよびCMPF濃度の測定 血漿中CP-IおよびCMPF濃度の測定は、研究1で確立したUHPLC-MS/MS法で行った。統計解析 グループ間の各種患者背景および血漿中CMPF濃度の多重比較は、Kruskal-Wallis検定またはカイ二乗検定で行った。グループ間の血漿中CP-I濃度の比較は、Kruskal-Wallis 検定およびDunnの事後検定で行った。有意水準はp < 0.05とした。研究3 関節リウマチ患者における血漿中CP-I濃度の個人差に関連する因子の探索対象 大分大学医学部附属病院膠原病内科を受診した関節リウマチ患者42名を対象にした。除外基準をBMI > 30 kg/m2、総ビリルビン > 1.5 mg/dL、ALT > 100 IU/L、リファンピシンまたはシクロスポリンAの服用とし、最終的に36名を解析対象とした。本研究は明治薬科大学の研究倫理委員会(承認番号:202017)および大分大学医学部の倫理委員会(承認番号:1433)の承認を得て実施した。遺伝子多型解析 OATP1B1の遺伝子多型解析はTaqMan PCR法により行い、OATP1B1*1a、OATP1B1*1b、OATP1B1*5およびOATP1B1*15の4つのハプロタイプを判定した。対象患者をOATP1B1*1b/*1b、OATP1B1*1a/*1b、OATP1B1*1a/*1a、OATP1B1*1b/*15、OATP1B1*1a/*15、OATP1B1*15/*15に層別し、OATP1B1*15アレル非保有群(OATP1B1*1b/*1b、OATP1B1*1a/*1bまたはOATP1B1*1a/*1a)とOATP1B1*15アレル保有群(OATP1B1*1b/*15、OATP1B1*1a/*15またはOATP1B1*15/*15)の2グループに分類した。血漿中CP-IおよびCMPF濃度の測定 血漿中CP-IおよびCMPF濃度の測定は、研究1で確立したUHPLC-MS/MS法で行った。血漿中炎症性サイトカイン濃度の測定 炎症性サイトカインの1種であるIL-6およびTNF-αを解析対象とし、これらの血漿中濃度をHuman IL-6 Quantikine HS ELISA Kit(R&D Systems, Inc., MN, USA)およびHuman TNF-alpha Quantikine HS ELISA Kit(R&D Systems, Inc., 119119

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