臨床薬理の進歩 No.42
125/228

表2 In vitro 実験条件下におけるDPZ濃度測定の検量線Correlation coefficient (r)Calibration curveAnalyteDPZy = 0.1054x + 0.0503非認知症高齢者(n=20)Intra-day CV (%)n=51.75.48.10.97.54.65.8Inter-day CV (%)n=56.04.78.05.26.55.35.4の重水素体であるd7-DPZを最終濃度100 ng/mLとなるように添加した。十分に撹拌後、保持液抽出を行い、減圧乾固した試料を移動相で再溶解し、試料に供した。CYP2D6の遺伝子型判定 DNAはWizard® Genomic DNA Purification Kit(Promega)を用いて血液試料より抽出した。CYP2D6の遺伝子多型はポリメラーゼ連鎖反応−制限酵素断片長多型(PCR-RFLP)法により判定を行った。CYP2D6はCYP2D6*4、*5、*10変異を有さない場合にCYP2D6*1の野生型とした。血漿中α-Syn量の測定 血漿試料からのエクソソーム抽出は、Théryらの方法12)を参考に下記の通り行った。血漿900 µLを遠心分離(6000 rpm、30 min、4 ℃)した後、上清をマイクロチューブに分取し、遠心分離(17000 rpm、45 min、4 ℃)した。その上清をマイクロチューブに分取し、更に遠心分離(50000 rpm、120 min、4 ℃)した。その後、その上清を別のマイクロチューブに分取(上清試料)し、残渣に1 mLのダルベッコリン酸緩衝生理食塩水(DPBS)を加え懸濁後、遠心分離(50000 rpm、70 min、4℃)した。その後、上清を廃棄し、再度残渣を1 mLのDPBSで懸濁し、遠心分離(50000 rpm、70 min、4 ℃)した。上清(エクソソーム抽出残渣液)および50 µLのDPBSで残渣を再懸濁した溶液(エクソソーム抽出液)を試料として回収した。本研究においては、非認知症高齢者0.999レビー小体型認知症の遺伝学的・生化学的背景の解明表1 対象者の背景認知症高齢者(n=34)82歳(±6.2歳)年齢70歳(±6.9歳)性別男性:8 女性:26男性:7 女性:13鑑別DLB:14 AD:20DLB; Dementia with Lewy Bodies, AD; Alzheimer Disease.データは平均値(標準偏差)で示している。Concentration (ng/mL)Recovery (%)n=5919698109101991000.51.05.010.025.050.0100.03名、DLB患者3名、AD患者2名の血漿試料を用いて検討を行った。血漿試料からのエクソソーム抽出の確認は、ウエスタンブロット法を用いて行った。タンパク質量が10 µgとなるように各試料を12%ポリアクリルアミドゲルにアプライし、電気泳動後、PVDF膜(Bio-Rad Laboratories, Inc.)に転写した。転写後のPVDF膜をECL Prime Blocking Agent(GE Healthcare)でブロッキングし、エクソソームマーカーであるCD81に対するマウス由来抗体(コスモ・バイオ)を1次抗体、ヒツジ由来抗マウス抗体(GE Healthcare)を2次抗体として使用した。タンパク質の検出にはECL Prime Western Blotting Detection Reagent (GE Healthcare)を用いた。また、エクソソーム抽出残渣液中およびエクソソーム抽出液中のα-Syn濃度の測定は、AnaSpecより購入したELISAキット(SensoLyto® Anti-alpha-Synuclein Quantitative ELISA Kit)を用いてKit内のプロトコールに従って行った。統計解析 患者背景については、平均値(標準偏差)で示して−111111

元のページ  ../index.html#125

このブックを見る